もとむら伸子(日本共産党衆議院議員)-
国会質問

質問日:2020年 4月 14日 第201国会 総務委員会

電気通信事業法改正案・日本電信電話株式会社等に関する法律改正案

しんぶん赤旗 2020年4月16日

日本共産党議員の国会質問/給付金対象拡大せよ/本村氏、学生支援など訴え

国民の苦難に寄り添い、くらし守る
 本村伸子議員は14日の衆院総務委員会で、新型コロナウイルス感染症拡大の影響で、困難を抱える学生や働き始めたシングルマザー、内定を取り消された若者などを生活支援臨時給付金の対象にするよう求めました。
 本村氏は、DV(配偶者やパートナーからの暴力)から逃れている人など、世帯主ではない人たちが、給付対象から排除されてはならないと指摘。高市早苗総務相は「DV被害者なども、申請の機会を確保することが必要だと考えている」と答弁しました。
 本村氏は、学生の生活にも深刻な影響が出ていると指摘。海老原諭内閣府審議官は「住民票を移した学生は給付対象となる。仕送りで生活する扶養親族の学生を対象とするかは、検討する」と答えました。


しんぶん赤旗 2020年4月22日

日本共産党議員の国会質問/固定電話の役割強調/本村氏「他の通信に代われぬ」

 ユニバーサルサービスとしての固定電話が他の電気通信事業者の無線設備利用を可能にする電気通信事業法と日本電信電話株式会社等に関する法律の一部改正案が14日の衆院総務委員会で、自民、公明など賛成多数で可決されました。本村伸子議員は反対討論で、「無線設備をユニバーサルサービスとして提供するのであれば、固定電話と同水準の安定提供、音声の品質の向上が必要だ」と主張しました。
 本村氏は質疑で、固定電話が普及状況、安定性や品質など他の通信に代われない役割を果たしていると強調。反対討論で、「外国人法人等に対する法執行の実効性の強化」に関しては「利用者保護につながるものであり当然だ」と述べました。

議事録

201-衆-総務委員会-14号 2020年4月14日

○本村委員 日本共産党の本村伸子でございます。
 どうぞよろしくお願いを申し上げます。
 まず最初に、新型コロナウイルス感染症の問題で質問をさせていただきたいのですけれども、一世帯三十万円の生活支援臨時給付金について伺いたいと思います。
 緊急経済対策の中にも書かれておりますけれども、新型コロナウイルス感染症発生前と比べて世帯主の月間収入が減った方で、基準を満たす世帯に、一世帯当たり三十万円を給付するということですけれども、世帯主の収入ということで、生活に困っているのに排除されてしまう方がいるのではないか、そうなってはならないという観点で伺いたいというふうに思います。
 大臣も、いろいろ質問されているというふうに思いますけれども、DVですとかストーカー、児童虐待などで逃げている方、あるいは親子、御家族の方などに対しては、住民票を異動しているケースと住民票を異動していないケースがあるというふうに思いますけれども、いずれにしても支給の対象にすることが必要だというふうに思います。
 なぜ被害を受けた方々の方が逃げないといけないのかというそもそもの問題があるわけですけれども、その上に更に不利益があるというのでは、やはり被害者救済という点でも反しているというふうに思います。
 ぜひ、暴力から逃れている方を支給の対象にするべきだと思いますけれども、大臣の御答弁、お願いしたいと思います。

○高市国務大臣 私も、住民票上では同じ世帯になっているDV被害者などの方についても、この申請の機会をちゃんと確保するということが必要だと考えております。
 どういった配慮、対応が可能なのかということですが、過去の定額給付金や直近のプレミアムつき商品券の対応事例も踏まえながら、今後、市区町村の御意見を伺いつつ、検討をしっかりと進めてまいります。

○本村委員 ぜひ早急にお願いをしたいというふうに思います。そして、被害を受けた方々にしっかりとそのメッセージが届くように、ぜひ広報、周知の方もお願いをしたいと思います。
 もう一つ問題点を指摘をさせていただきたいと思うんですけれども、感染症発生前と比べて世帯主の月間収入が減った方というふうに言いますけれども、例えば、働き始めのシングルマザーの方々ですとか、四月に働き始めようと思ったけれども内定取消しになってしまった方など、比べる月間収入がない方々もいらっしゃいます。
 やはり、そういう方々であっても対象とするべきだ、前とは比べられないけれども今本当に大変だという方はしっかりと対象にするべきだというふうに思いますけれども、御答弁をお願いしたいと思います。

○海老原政府参考人 お答えいたします。
 今回の給付金でありますけれども、新型コロナウイルス感染症の影響を受けまして急激に収入が減少して生活に困っている世帯の方に対しまして、生活維持のために迅速かつ重点的に資金を交付するものというふうにされております。
 先生から御指摘いただきました新卒の社会人あるいはシングルマザーで働き始めた方、こういった方の場合は、おっしゃるとおりでありまして、比べるべき前年の収入が存在しないわけであります。こういった場合の取扱いにつきましては、検討課題の一つというふうに認識をしております。
 いずれにせよ、今後の詳細の制度設計につきましては、総務省を始めといたしまして関係省庁において検討が行われていくというふうに認識をしているところでございます。

○本村委員 大臣、総務省とも相談をするということですから、ぜひ比較する月収入がない方も対象にしていただきたいと思いますけれども、大臣の御答弁もお願いしたいと思います。

○高市国務大臣 制度設計は内閣府の方でやっておりますが、私の意見としては、内定取消しになった方の中でも、例えば職場の近くに住まいを借りて家賃が払えなくなったといったケースもあるわけでございますから、そのような方をきちっと救済できるようにという意見は申し上げておりますが、内閣府において主体的に検討されるものであると思います。

○本村委員 内閣府の方にも、大臣にもぜひ言っていただいて、安倍総理にもぜひ言っていただいて、しっかりと給付されるようにということで強く求めておきたいというふうに思います。
 学生さんも大変深刻でございます。この新型コロナウイルス感染症の問題が起きる前から、私は学生の皆さん方の生活状況を聞いておりました。一日三食まともに食べることができないという学生さんが何人もいらっしゃるわけでございます。やはり、私たち国会議員はこういう状況にしているということを恥じなければいけないというふうに思いますけれども、そういう状況の中で、新型コロナウイルス感染症の影響で、当てにしていたアルバイトができない状況になって、大変不安な思いをされている学生さんが多くいらっしゃいます。
 民青同盟の愛知県委員会の皆様方が、若い皆さん、学生の皆さんからアンケートをとられました。本当に、こういう分厚い、ぎっしり、お声を持ってきていただいたんですけれども、国会議員に届けてくれました。これは、私たちだけではなくて各党の皆様方にも行っているというふうに思います。
 その中では、バイトのシフトが削られていろんな支払いがきついというお声、こういう中で、学生向けの補助金、働く場所、そして奨学金返済の延期を求める声がございます。また、イベントのバイト、結婚式のバイトがなくなって大変だ、あるいはバイト先が潰れそうだ、あるいは塾のバイトも閉鎖で収入が減ってしまったというお声でございます。
 これは、民青同盟の愛知県委員会の方だけではなくて、京都府でも調査をされておりまして、その中では、アルバイトが軒並み休みになって、病院代を自分で払わなくてはいけない、この状況だと払えない、病院代だけでも援助していただきたいという、本当に切実な、命と健康にかかわる切実なお声が出ております。
 NHKでも報道されましたけれども、学生団体FREE、高等教育無償化プロジェクトの皆様が調査をされました。
 ある浜松市の学生さんは、仕送りが五万円、アルバイト月七万円で生活をしていたそうです。しかし、先月は二万円にまで減ってしまった、希望している大学院も諦めないといけないのではということで不安を語っておられました。
 このFREEの皆さんの調査では、アルバイト収入の減少したのが三七・六%、収入が減ったことで学費確保できずという方が六・七%。これを合わせますと、経済的な影響を受けている学生さんは四四・三%でございます。今はもっと自粛要請が強まっておりますので、一層アルバイトで生活費を稼ぐということは大変になっているというふうに思います。
 この新型コロナウイルス感染症の問題で、学ぶことを諦める、学業を諦める、そういう学生さんを絶対に出してはならないというふうに思います。学生さんもこの生活支援臨時給付金の対象にするべきですし、当然ながら、住民票を移している学生さんは収入基準を満たせば対象となるというふうに思いますし、住民票を移していなくても、親元を離れて暮らす学生さんなども対象にするべきだというふうに思います。
 本来は、若い人というのは貯蓄はゼロという世帯が多いわけですから、学生さん向けの給付金をつくるべきだというふうに思いますけれども、これは、大臣、お願いしたいと思います。

○海老原政府参考人 お答えいたします。
 ひとり暮らしの学生アルバイトをされている方についての支援ということでお話をいただきました。
 生活支援臨時給付金の考え方でありますけれども、御指摘いただきましたようなひとり暮らしをされている学生さんにつきましては、住民票を実家に残している場合でありますと世帯主とはならないわけで、御実家の方が支援を受けるかどうかということになるわけですが、住民票を移されている場合については、これは先生御案内のとおりでありますが、単独世帯の世帯主となるわけであります。
 今回の給付金、世帯ということにしておりますけれども、これは、困難に直面している御家庭に迅速に支援を届けますために、住民票上の世帯に着目して給付を行うという簡便な仕組みとしておりますので、基本的には、今申し上げましたように、住民票を移している単独世帯の学生さんであれば給付の対象になるというふうに考えております。
 また、他方、世帯主であるとはいいましても、主に親の仕送りによって生活をしております扶養親族の学生についても給付対象とすべきかどうか、こういったことについてもさまざまな考え方があるものと思っておりまして、いずれにせよ、今後、制度の詳細設計について検討が行われる必要があるというふうに考えております。

○本村委員 若い人たちの今と未来にしっかりと投資をして、それはこの社会のためになるというふうに思いますので、ぜひそのことは実現をしていただきたいということを強く求めておきたいというふうに思います。
 法案の方に入らせていただきますけれども、まず、NTT東西によるユニバーサルサービス提供における他者設備利用の導入についてお伺いをしたいというふうに思います。
 固定電話のユニバーサルサービス提供に当たって、ほかの電気通信事業者の設備を利用するということが今回可能となるような法改定でございます。
 固定電話の利用数の減少ということが挙げられますけれども、国民、住民の皆さんにとってなくてはならない通信を確保していく上で、役割をしっかりと固定電話というのは果たしているというふうに認識をしております。法改定では、ユニバーサルサービス、国民の通信の確保が揺らぐことがあってはならないというふうに考えます。
 ユニバーサルサービスの対象を固定電話としてきたのは、普及状況、安定性や品質など、ほかの通信サービスにかわれない水準があったからではないかというふうに思いますけれども、ユニバーサルサービスとしての位置づけについてまず確認をさせていただきたいと思います。

○高市国務大臣 加入電話でございますが、地域の住宅、事業所、公共機関といった拠点との基本的な通信手段でございます。緊急時のライフラインとしても重要な役割を担っており、国民の日常生活や社会経済活動における基幹的な通信手段であることから、ユニバーサルサービスとして位置づけております。
 社会環境が変化してまいりましても、このような加入電話の役割は引き続き重要だと考えております。

○本村委員 ありがとうございます。
 なぜ他者の設備なのかという点でございます。
 そもそも、NTTは電電公社から設備を引き継ぎ、その責務を負ってまいりました。こうしたNTTの役割を曖昧にすることにならないかという点、懸念があるんですけれども、御答弁お願いしたいと思います。

○谷脇政府参考人 お答え申し上げます。
 今回の改正におきましては、NTT東西の自己の設備による電話の提供を引き続き原則とした上で、他者設備の利用につきましては、電話の役務をあまねく目的業務区域において適切、公平かつ安定的に提供することを確保するために必要があると認められる場合に限って、総務大臣の認可を得た上で、例外的に認めることとしております。
 認可に当たりましては、NTT東西による適切かつ安定的な電気通信役務の提供の確保という点に支障が生じることがないよう、しっかりと確認をしてまいりたいと考えております。

○本村委員 これまでも、固定電話と携帯電話の比較で、音声の品質、遅延とか揺らぎとか、そういうものが問題になってきております。包括的な検証が行われました最終答申でも、技術的要件について、音声の品質等を可能な限り確保することが求められると条件として述べられています。
 停電時の非常電源の基準ですとか、固定電話と比較した技術基準、携帯電話事業者が現状行っている以上の技術基準ということで今回はなってくるのかという点、確認をさせていただきたいと思います。

○谷脇政府参考人 お答え申し上げます。
 通信設備に係る通話の総合品質に関する技術基準ということでお答えを申し上げますと、携帯電話の場合は、事業者ごとの自主基準となっておりまして、品質に関する一律の規律というものは存在してございません。他方、加入電話の場合は、他の通信設備に比べて高い品質を維持することとしております。
 ワイヤレス固定電話の場合は、無線設備を用いておりますけれども、この加入電話の基準に可能な限り近づけたものとするということを想定をしているところでございます。

○本村委員 今回の改定では、今の携帯電話の品質よりもいいようにしていこうということだというふうに思いますけれども、そうすると、別の規格になってくるわけでございます。
 設備投資ですとか技術開発などが求められるということだと思いますけれども、山間地ですとか離島ですとか、そういったところは採算性の問題があるというふうに思うんですけれども、簡単に携帯電話事業者が請け負えるものなんでしょうか。

○谷脇政府参考人 お答え申し上げます。
 委員お尋ねの点といいますのは、携帯電話の場合とそれから固定電話の場合とでコスト構造がどう違うのかという点によるものかと思います。
 利用者に対して直接提供されております通信回線である、いわゆるラストワンマイルとして、携帯電話は電波を利用しております。他方、加入電話は、ラストワンマイルとして、各利用者宅まで敷設されたメタル回線等を利用しておりまして、例えば風水害等によりまして回線が損壊した場合には、その都度人員を派遣して補修する必要があるなど、維持管理に多大なコストを要するところでございます。
 このように、一般的には、加入電話と比較して、携帯電話の方が経済合理性にすぐれる面があることが御指摘の要因の一つであるというふうに考えております。

○本村委員 なぜ他者の設備なのかということなんですけれども、そこに疑問があるわけでございます。
 これは、対象となる地域の問題なんですけれども、利用件数が少ないためにNTTにとって高コスト地域とされている。携帯事業会社にとっても、安定性確保のために基地局を多くしたり、あるいは設備投資でコストがかかるということになってくると思うんですけれども、経営判断で、ユニバーサルサービス提供の関与について撤退するということもあり得るというふうに思います。携帯事業者は、法律で規制されているわけでもございません。ユニバーサルサービス提供の責務が及ぶ仕組みでもございません。
 この最終答申の中でも、なお、設備を設置する他事業者が撤退した場合、NTT東西において、新たに自己設備を設置する等、電話サービスを継続的に提供するための措置を講じることが必要とされております。
 確認ですけれども、設備を貸す他事業者の撤退も想定しているということでしょうか。

○谷脇政府参考人 お答え申し上げます。
 現時点におきまして、携帯電話事業者が一部地域から撤退するといったような話は承知しておりませんけれども、仮に撤退した場合には、NTT法上の責務に基づきまして、NTT東西は自己の設備を再設置して電話を提供することが求められるところでございます。

○本村委員 撤退してもNTTが責務を果たしていくというたてつけにはなっているということだと思います。
 この想定される地域なんですけれども、通信確保というのが本当に切実な地域だというふうに思います。他者設備の地域として、もしNTTがメタル回線を撤退してしまっていた場合、再度設備投資をしようにも非常に時間がかかってしまう。
 今回、NTTの設備ではなくてほかの事業者の設備になる地域については、情報通信審議会答申でいいます、メタル回線の再敷設、光化には高コストとされる地域だというふうに思うんですけれども、メタル回線を撤去するという地域になるのかという点を確認させていただきたいのと、また、撤去してしまっていて、ほかの事業者が撤退をしてしまったときに、再度設備投資するということになったとき、利用者が長期間通信を利用できないということにはならないのかという点を伺いたいと思います。

○谷脇政府参考人 お答え申し上げます。
 NTT法におきましては、NTT東西に対して、あまねく日本全国における電話の提供の確保を責務として課しております。
 このため、仮にNTT東西に対して設備を提供する他の事業者が撤退した場合には、NTT法上の責務に基づきまして、NTT東西は自己の設備を再設置して電話を提供することが求められます。
 委員御指摘の、再敷設までの間に電話が利用できない期間が発生するのではないかという点につきましては、他者設備の利用に係る認可に際しまして、NTT東西と設備を提供する他事業者との間の契約につきまして、他事業者が撤退する場合には、あらかじめ十分な期間を設けてNTT東西に通知することが担保されていることを確認するなど、利用者に不利益が生じないよう措置を講じてまいりたいと考えております。

○本村委員 あらかじめ期間前に通知をするということですけれども、よく民間が撤退するケースとして、災害があって、それを復旧するのが嫌だから撤退するというのがあるんですけれども、そうした場合はどうなるんでしょうか。

○谷脇政府参考人 お答え申し上げます。
 自然災害など予期しないような事態が発生した場合の取扱いにつきましても、可能な限り、今申し上げましたような、NTT東西とそれから他事業者との間で決めておくということが必要でございますけれども、ただ、やはり、予想しない自然災害が発生した場合には、何よりも応急復旧ということになろうかと思います。
 例えば、携帯電話事業者が車載型基地局などを導入して、なるべく早く携帯電話回線を復旧させるということによって、今NTT東西が他事業者の回線を使っている場合でも、可能な限り速やかに応急復旧をするということが可能になろうかと思います。

○本村委員 ルーラルエリアというふうに言われる地域に対して、迅速にそうやって復旧をしていただきたいということは、強く求めたいというふうに思います。
 今回の法改正の他者利用可能とする制度は、NTTの対応に委ねられる、非常に不安定さを感じる仕組みだというふうに思います。地域の限定の仕方も曖昧な状況なんですね。まだ私にははっきりとしたものが見えていないわけでございます。
 NTT法二条の五のところに、地域電気通信業務は、地域会社がみずから設置する電気通信設備を用いて行わなければならない、ただし、電話の役務をあまねく目的業務区域において適切、公平かつ安定的に提供することを確保するために必要があると認められる場合であって、総務省令に定めるところにより、総務大臣の認可を受けたときは、この限りではないということで、省令に定めるところとしか規定がなされていないわけでございます。
 最終答申では、具体的には、需要が極めて限定的であって、メタル回線の更新、再敷設や光化を行おうとした場合、極めて不経済となり、かえって全体の投資計画に支障を来すおそれがあるような場合(極めて高コストな地域等)に限るとし、今後、総務省においてその基準を明確にすることが適当であるとされております。
 総務省において基準を明確にというふうに書いてあるんですけれども、いまだに曖昧なままでございます。法案を議論するのに検討中ということでは、影響を受けるような地域の方々が、本当にそうしたことを知らずにそうなっていくということにもなってまいります。
 影響を及ぼす地域もしっかりと基準を示すべきだというふうに思いますけれども、大臣、御答弁お願いしたいと思います。

○高市国務大臣 この改正は、NTT東西の自己の設備による電話の提供を引き続き原則とした上で、例外的に、一定の要件を満たす場合に限って、総務大臣の認可を得た上で、他者の設備の利用を認めることとしています。
 この具体的な要件でございますが、今後省令で定めることとなります。電話の提供が極めて不経済になる場合として、地理的条件が悪く、かつ、利用者が特にまばらな地域を指定し、他者設備の利用を認めることを想定いたしております。
 また、これらの指定地域に加えて、災害などにより利用できなくなった加入電話を復旧させることを目的として、一時的に他の電気通信事業者の設備を利用することも認めるということを想定しております。

○本村委員 地域もまだ極めて曖昧なんですね。やはり影響を受ける方々の意見もしっかりと聞いた上でやらなければならないというふうに思います。こうした政策立案はしなければならないということでございます。
 時間がないので、少し飛ばさせていただきまして、次に、外国法人等に対する法執行の実効性の強化のことについて伺いたいというふうに思います。
 これについては、利用者保護を進めていく上で当然の措置だと考えております。問題は、実効性を担保していくことができるのかという問題でございます。
 今回は、あくまで外国法人であって、代理人等の登録ということだけにとどまっているわけでございます。これまであった、グーグルでは、二〇一七年、大規模なインターネット接続障害ですとか、二〇一九年にもGメールが利用できない状況が発生していたわけですけれども、外国法人そのものに行政指導が及ばないということは変わらないのではないかと。
 こうしたサービスの障害を是正するということは、今回の法改正でちゃんとできるのかという点、大臣にお伺いしたいと思います。

○谷脇政府参考人 お答え申し上げます。
 外国から国内に対して電気通信役務を提供する事業を営む外国法人等につきましては、国内法の原則である属地主義の考え方に基づきまして、電気通信事業法の規律の対象となっております。
 今回の法改正は、これを前提として、外国法人等に対する法執行の実効性を強化するための規定の整備を行うものでございます。したがいまして、業務改善命令等を行う場合には、今回の法改正によりまして、代理人を指定し、この代理人に対して業務改善命令を到達させるということによって法執行の実効性を担保することが可能になるものでございます。
 なお、外国法人等への電気通信事業法の具体的な適用関係、運用ガイドラインという形で明確化を図ってまいりたいというふうに考えております。

○本村委員 利用者情報の漏えいの問題なども重要だというふうに思います。
 Gメールとかフェイスブックのメッセンジャーですとか、そういったものは通信の秘密の対象になるのかという点と、メールや通信を媒介するとした際に、利用者情報として保護される範囲は今回どうなるのか、最後にお伺いしたいと思います。

○谷脇政府参考人 お答え申し上げます。
 電気通信事業法における電気通信事業でございますけれども、これはあくまで他人の通信を媒介するということを業として営むということでございます。
 これは、今回の改正法によりましても、その定義内容については一切変更はございませんので、電子メールですとか、こうした電気通信事業に該当するというものにつきましては、外国法人等についても今回の改正法の適用を受けることになるということでございます。

○本村委員 利用者保護の強化を強く求め、質問を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。

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○大口委員長 これより討論に入ります。
 討論の申出がありますので、これを許します。本村伸子君。

○本村委員 私は、日本共産党を代表し、電気通信事業法及び日本電信電話株式会社等に関する法律の一部を改定する法律案に対して反対の討論を行います。
 本法案は、固定電話のユニバーサルサービスについて、ほかの電気通信事業者の電気通信設備を利用した役務提供を可能とするものです。
 無線設備は固定電話と比較して遅延や揺らぎがあるとされています。ユニバーサルサービスとして提供するのであれば、固定電話と同水準の安定提供、音声の品質の水準の確保が求められています。
 しかし、技術基準の策定はこれからであり、品質悪化の懸念もあります。
 また、ほかの電気通信事業者の設備利用は、他事業者の経営状況によって影響が生じます。
 他事業者が撤退した場合、NTT東西において自己設備を設置する等措置を講じることも想定されているなど、安定的な設備確保が他者の経営判断に左右されるものとなります。
 省令や契約で確保するといっても、メタル回線撤退後、他事業者が撤退してしまったときに、再敷設に長期間を要し、利用できなくなるおそれもあります。
 その上、本法案の対象となる地域がどこなのか、範囲も検討中とされています。
 情報通信審議会でも確保すべき多くの条件が示されていますが、それらは今後の対応、省令などに委ねられています。
 利用者にとってユニバーサルサービス提供水準が維持されていくことが明確になっていないもとで、本法案には賛成することはできません。
 なお、外国法人等に対する法執行の実効性の強化については、利用者保護につながるものであり、当然の措置であるということを申し述べ、討論といたします。

○大口委員長 これにて討論は終局いたしました。
    ―――――――――――――

○大口委員長 これより採決に入ります。
 電気通信事業法及び日本電信電話株式会社等に関する法律の一部を改正する法律案について採決いたします。
 本案に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕

○大口委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。
    ―――――――――――――

○大口委員長 この際、ただいま議決いたしました法律案に対し、中根一幸君外四名から、自由民主党・無所属の会、立憲民主・国民・社保・無所属フォーラム、公明党、日本維新の会・無所属の会及び希望の党の五派共同提案による附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。
 提出者から趣旨の説明を求めます。高井崇志君。

○高井委員 ただいま議題となりました附帯決議案につきまして、提出者を代表して、その趣旨を御説明申し上げます。
 案文の朗読により趣旨の説明にかえさせていただきます。
    電気通信事業法及び日本電信電話株式会社等に関する法律の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
  政府は、本法の施行に当たり、次の各項の実施に努めるべきである。
 一 電話サービスが国民生活に必要不可欠なものであることに鑑み、NTT東西が他の電気通信事業者の設備を用いて電話サービスを提供する場合にも、利用者の安定的なサービス利用を確保する品質を維持できるよう、指導監督を行うこと。また、災害等への対応を含め、安心・安全な利用が確保されるよう消費者保護の観点から必要な措置を講じること。
 二 改正後の日本電信電話株式会社等に関する法律第二条第五項に定める総務大臣の認可条件を総務省令で定めるに当たっては、固定・移動通信市場の公正競争環境を阻害しないよう、現行の指定電気通信設備制度の趣旨等を踏まえ、具体的に規定すること。
 三 ブロードバンドサービスや携帯電話サービスが国民生活に必要不可欠なものとして浸透しつつあることを踏まえ、ユニバーサルサービスの在り方について、その対象の見直しも視野に入れて検討すること。
 四 外国法人等が提供するプラットフォームサービス等の国内における利用が急速に拡大していることを踏まえ、当該サービス等の利用者の保護が十分に図られるよう万全を期すとともに、国外事業者には国内の規制が及ばない現状に鑑み、国内事業者に競争上の不利益が生じないように十分配慮すること。
 五 プラットフォーム事業者に対する規制については、国際的な動向を勘案した上で、個人情報の保護を含め、利用者の権利の保護が十分に図られるよう、必要に応じて見直しを行うこと。
以上であります。
 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。

○大口委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。
 採決いたします。
 本動議に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕

○大口委員長 起立総員。よって、本動議のとおり附帯決議を付することに決しました。
 この際、総務大臣から発言を求められておりますので、これを許します。高市総務大臣。

○高市国務大臣 ただいま御決議のありました事項につきましては、その御趣旨を十分に尊重してまいりたいと存じます。
    ―――――――――――――

○大口委員長 お諮りいたします。
 ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○大口委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――
    〔報告書は附録に掲載〕
    ―――――――――――――

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