2018年12月12日(水)しんぶん赤旗
空調補助 単価上げて/本村氏「自治体負担は重い」
日本共産党の本村伸子議員は4日の衆院総務委員会で、学校のエアコン設置での自治体負担の実態を示し、国の補助単価を引き上げるよう求めました。
国は猛暑による児童の死亡事故などをふまえ「臨時特例交付金」を創設。エアコン設置費用を1教室あたり150万円と積算し、自治体に3分の1(50万円)を補助するとしています。
本村氏は、この国のエアコン設置費の積算について「実態とかけ離れている状況だ」と強調。岡山市は「(国の積算が)実際にかかる工事費よりも低く抑えられているため、実質は工事費の5分の1程度しか交付が見込めない」と引き上げを要望するなど、自治体には重い負担だと指摘し、「国庫補助の単価を引き上げるべきだ」と迫りました。
本村氏は、補助単価引き上げを財務相や文科相に求めることを石田真敏総務相に提起。
石田総務相は国庫補助単価については「地方団体の財政運営に支障が生じることがないよう、関係府省と十分に調整する」と答弁。また「追加的に必要となる光熱水費を普通交付税で措置する」とガス経費も対象とするとし、メンテナンス費用も「実態や自治体のご意見をふまえ適切に措置する」と話しました。
議事録
○本村委員 日本共産党の本村伸子でございます。
どうぞよろしくお願いを申し上げます。
まず最初に、小中学校、特別支援学校などの教室、体育館へのエアコン設置についてお伺いをいたします。
私が住んでおります愛知県豊田市の小学校の一年生の子供さんが熱中症で亡くなりました。心から哀悼の意を申し上げたいと思います。二度とこうした死亡事故が起きることがないようにしなければなりません。
日本共産党の豊田市会議員団としては、十年以上前からエアコン設置を求めておりました。しかし、なかなかつかなかったわけでございます。
豊田市の場合は、お金がないということは言いわけできないというふうに思います。この間ですけれども、愛知県内でいえば、今年度当初分として、何十校もエアコン設置を求めて文部科学省に申請をしておりました。しかし、ほとんどが却下をされました。文教予算が当初予算として四年連続マイナスという中で、教育環境の整備がおくれてきたというふうに認識をしております。この問題を政府として直視していただきたいというふうに思います。
政府は、ブロック塀の倒壊や、あるいは、ことしの夏の猛暑によって子供さんが亡くなられた死亡事故、健康被害を踏まえて臨時特例交付金を創設し、普通教室に優先しつつ、公立の小中学校、義務教育学校、中等教育学校の前期課程、特別支援学校、幼稚園を対象にしたエアコン設置を進めております。
そこで、きょうは文部科学省から中村政務官に来ていただき、ありがとうございます。お伺いをしたいというふうに思いますけれども、文部科学省は、十月十七日付で調査要領を通知し、十一月十二日までで調査を行っております。これを集計して、十二月中には交付額を決定、通知するというふうに聞いておりますけれども、小中学校、特別支援学校などの普通教室、特別教室への設置のめどはどうなっているのか、お示しをいただきたいと思います。
○中村大臣政務官 お答え申し上げます。
公立小中学校等は、児童生徒の学習の場であり、その学習環境の安全性を確保することは重要であると認識をしております。そうした中で、豊田市において小学生の方が熱中症でお亡くなりになったということは痛恨のきわみでありまして、心からお見舞いを申し上げたいと思います。
十一月七日に成立をした補正予算においては、児童生徒の日々の学習に際して、熱中症を予防し、安全を確保する観点から、現在の公立小中学校等のエアコン設置率が六割程度である中で、残りの四割程度の普通教室全てに設置できるよう、所要の額を計上し、臨時特例的な措置としての新たな制度を創設し、支援することといたしているところであります。本交付金において、自治体が希望する全ての普通教室へのエアコンの新設に対応できる見込みとなっております。
本補正予算により、子供たちの安全、安心を確保するため、早急にエアコンの整備が進められるよう、全力で取り組んでまいる所存でございます。
○本村委員 ありがとうございます。
この文科省の学校施設環境改善交付金については、先ほども申し上げましたように、当初予算などを申請しても、交付決定は順番待ちという事態が続いてまいりました。それは、先ほども愛知県内の例で申し上げたとおりでございます。
一方で、子供たちの健康を守るために、一刻も早くエアコン設置ということを決断して、独自事業としてエアコン設置を進めてきた自治体もございます。また、財政負担を少しでも軽くしようということで、初期投資ですけれども、リース契約で対応するといった事例もふえております。
気象庁は、七月二十三日の会見で、命に危険があるような暑さであり、一つの災害と認識していると発表をし、直ちに命を守る行動をとってくださいという呼びかけも行われました。官房長官は、定例会見で、猛暑を踏まえたクーラー設置を支援していく必要がある、来年のこの時期に間に合うよう、政府として責任を持って対応したいというふうに表明をいたしました。そういう中で、臨時特例交付金ができたということだというふうに思います。
政府の責任でということを言いますけれども、実際には、地方自治体の財政負担は決して少なくないわけでございます。財政的な困難さから、小中学校等へエアコン設置、取り付けようとする自治体でも足がもつれることがないようにということで、財政支援をしっかりとしていく必要があるというふうに思っております。
文部科学省に伺いたいと思うんですけれども、エアコン設置の国庫補助の単価は、一教室当たり百五十万円、一平方メートル当たり二万三千二百円で係数を掛けて、そして一教室六十四・八平方メートルで積算して、事業費の三分の一、ですから、一教室百五十万円であれば五十万円国庫補助というふうにしております。今回の臨時特例交付金もそれを準用しております。
なぜ一教室百五十万円なのか、その根拠を示していただきたいと思います。労務単価や本体費用や馬力はどのくらい見込んでいるか、工事費用、安全衛生経費など、根拠を示していただきたいと思います。
○山崎政府参考人 お答え申し上げます。
エアコン設置に係る補助基準単価については、平成十八年度の安全・安心な学校づくり交付金の創設に伴いまして、一教室当たりのエアコンの設置に係る工事費の見積り等を参考にして、一平米当たりの補助基準単価を設定しているところでございます。
当時の資料、まあ、古いものですから、当時の資料によると、一教室当たりのエアコン設置に係る工事費は、空調機器が五十五万円、設置工事費が四十万円、電気工事費が二十三万円の合計百十八万円となっておりました。
その後、毎年度の予算において、資材費や労務費の上昇分を勘案し、補助基準単価の見直しを図ってきたところであります。
これを踏まえまして、平成三十年度予算におけるエアコン設置に係る補助基準単価については、一教室当たり約百五十万円、平米当たり、先生御指摘のとおり、二万三千二百円としたところでございます。
○本村委員 ありがとうございます。
このエアコン設置事業というのは、例えば動力源、ガス方式にするか電気方式にするかなどの違いがございますし、教室まで延ばす配管の長さ等々で事業費は大きく差が出るということでございます。単価百五十万円を超える事業となってしまう場合もあるのではないか。そういう事例があるというのは認識をされておりますでしょうか。
○山崎政府参考人 お答え申し上げます。
先生御指摘のとおり、エアコン設置のための費用につきましては、設置する建物の状況であるとか、エアコン機器の方式また性能に応じて、自治体によってさまざまであるというふうに把握しております。
また、自治体によって、業者からの見積りの徴取方法や発注方法などに応じて、入札率などの競争効果によるコスト縮減状況もさまざまであるというふうに把握してございます。
○本村委員 自治体の負担は大変大きいのが実態でございます。一平方メートル当たり二万三千二百円の補助単価ではとても実際の事業費は追いつかないという事例はたくさんございます。幾つかの自治体、実態を調べてまいりました。
今回の臨時特例交付金の創設を受けて、ある市では、ガス方式で、四つ、五つのクラス一遍にエアコン設置を行う形で事業をする場合、単価は一平方メートル当たり約五万円、一教室当たり三百万円になる、二倍ということですね、ということになるということでございます。普通教室、特別支援学校、合わせて二千を超える教室があるということで、六十三億円かかるということになってまいります。特例交付金、三分の一の補助となっておりますから、二十一億円来るかと思ったら十一億円しか来ない、五分の一にも満たないというのがある自治体ではございました。
先月、十一月ですけれども、政令指定都市市長会並びに議長会の皆様方が、来年度政府予算と地方行財政についての要望を各党に届けていただいているというふうに思いますけれども、その中で、岡山市は、学校施設環境改善交付金は工事費の三分の一が交付対象となっているが、一平方メートル当たり配分基礎額が実際にかかる工事費よりも低く抑えられているため、実質の工事費の五分の一程度しか交付が見込めないと、その引上げを要望されております。
さらに、豊田市でも、中学校の普通教室四百七十二教室、小学校もやるんですけれども、中学校の普通教室四百七十二教室だけ見てみますと、十二億円はかかるだろうというふうに見積もっております。しかし、国からは二億三千八百万円程度しか来ないだろうということで、やはり五分の一程度しか交付が見込めないわけでございます。
既に普通教室一〇〇%というふうになっております名古屋市も調べてみましたら、ここも一教室百五十万円ではとてもできないという実態がございました。
静岡市でも、一教室約三百八十万円で、七十億円かかると最初は見積もっておられましたけれども、圧縮する努力をして、一教室三百万円、五十五億円かかるという実態がございました。
ほかの自治体の例を見てみましても、いろんなやり方はございますけれども、とても一教室百五十万円ではつけられないという実態がございました。
私、良心的な業者さんにも伺いましたけれども、私が、一平方メートル当たり二万三千二百円と、一教室百五十万円ということをお伝えをいたしましたら、倍はかかると思うというふうにおっしゃっておりました。
どう考えても、一平方メートル当たり二万三千二百円、一教室百五十万円では実態と乖離しているというふうに思います。
政務官、文部科学省にお伺いをいたしますけれども、この国庫補助の単価、引き上げるべきだと思いますけれども、答弁をお願いしたいと思います。
○中村大臣政務官 お答え申し上げます。
国庫補助単価につきましては、必要な機器の性能を勘案して適正な国庫補助の基準単価を設定しているところであり、平成三十年度予算において、資材費や労務費の上昇分を勘案し、昨年度に引き続き基準単価の引上げを行っているところであります。
なお、三十年度一次補正予算においては、公立小中学校等の全ての普通教室に設置できる規模としていることに加えまして、補助単価や補助下限の適用範囲を市町村単位に緩和するなど、つまり、安くできるところがあって浮いた分は市町村内で費用がかかるところに回すような、そういう配慮もしながら、今般の緊急的な状況を踏まえて、臨時特例的な措置を講じているところであります。
以上でございます。
○本村委員 でも、実態とはかけ離れているわけでございます。余ったら回せるというお話もあったんですけれども、とてもそういう状況じゃないわけでございます。
紹介したように、ガス方式、電気方式、設置方式の違いなどで事業費は極めて大きな差が出てまいりますし、工事の実際の姿と関係なく単価を一律に百五十万円としている、こういう一律の単価基準というのもやはり見直すべきだというふうに思います。
官房長官が政府として責任持って来年の夏前までには対応するということで、今回の臨時特例交付金ができたわけでございます。自治体の実情、財政的な体力面もさまざま、困難があるわけでございます。その上で、やはり対応が求められるというふうに思いますので、ぜひ単価の引上げをお願いしたいと思いますけれども、もう一度答弁お願いしたいと思います。
○中村大臣政務官 お答え申し上げます。
全国的には、こうした単価で実際に設置をできるという自治体もきちんとあるわけでありまして、そうした中で、大幅な国庫補助の基準単価の引上げを行うことは採択の減少に直結することになりますので、それはもう慎重に行わなければならないというふうに、慎重に考えなければならないというふうに思っております。
○本村委員 総額をふやして、設置箇所をふやしていただくというのが基本だというふうに思います。
政府として責任を持って対応するんだということでやったわけですから、しっかりと責任を果たしていただきたいというふうに思いますし、百五十万円でやったところがあるというふうに言われました。そこの労務費、本体費用、馬力、どういう馬力なのかということ、あるいは工事費、安全衛生経費、法定福利費、どうなっているのか出していただけますか。
○山崎政府参考人 地方の実情を伺いながら、検討したいと思います。
○本村委員 資料を出してください。
○山崎政府参考人 事例になるかもしれませんけれども、そういうところがあるというふうに聞いていますので、また検討したいと思います。
○本村委員 ぜひ、資料を出していただき、検証していただき、単価の引上げをしていただきたいというふうに思います。
次に、総務省に確認をしたいというふうに思いますけれども、今回、エアコン設置を全ての教室にするということで、ランニングコストである電気料金を普通交付税の単位費用に措置するという新たな措置をとられましたけれども、これは当然のことであり、重要なことだというふうに思います。
ランニングコストですけれども、ガス方式のガス代も当然対象になりますねという確認、そしてメンテナンス費用も当然財政措置しますねという確認をさせていただきたいと思います。
○石田国務大臣 お答えさせていただきます。
公立小中学校の学校運営経費について、光熱水費を含めて普通交付税において措置をしておるところでございますが、今回、御指摘の平成三十年度補正予算における公立小中学校への冷暖房設備設置、これに係る交付金、臨時特例交付金が計上されたことを踏まえまして、平成三十一年度に冷房設備のランニングコストとして追加的に必要となる光熱水費について普通交付税により措置をすることを検討しているところでございます。
今後も、学校運営経費の実態や地方自治体の御意見を踏まえまして、学校運営経費について適切に措置をしてまいりたいと考えております。
○本村委員 ありがとうございます。
もう一問総務省にお伺いをしますけれども、資料を見ていただきたいんですけれども、実態としては、一教室百五十万円で、教室数ということで算定をいたしますと、今回の特例交付金がそうなんですけれども、実質の地方負担は二六・七%ということで文部科学省が言っておりますけれども、実際は一教室三百万円程度かかりますので、実際の地方負担は六三・三%になるということになってまいります。一教室百五十万円のうち文部科学省は地方負担分は四十万円で済みますよというふうに言っておりますけれども、実際は、大体、いろんな自治体を見させていただきましたけれども三百万円前後のところが多くて、実際には一教室百九十万円が地方負担ということになってまいります。
そこで、総務省にお伺いしたいんですけれども、この実際の地方自治体の負担分、国庫補助以外の事業費を確保するために、地方負担分の全額を自治体が起債できるか確認をしたいと思います。また、その際、地方交付税によって元利償還、どこまで措置されるのかということを確認をさせていただきたいと思います。
○林崎政府参考人 お答え申し上げます。
今回の臨時特例交付金につきましては、補助率三分の一とされておりますので、残りの三分の二の部分に当たります地方負担につきまして、まず、これは地方債一〇〇%充当した上で、その元利償還金の六〇%を普通交付税により措置することとしております。
また、それを上回った部分の事業につきまして、総務省といたしましては、その部分について資金手当てとしての地方債の対象とすることで、地方団体の財政運営に当面支障が生じないように対応することとしているところでございます。
○本村委員 地方負担分全額起債できるというのは当然だというふうに思います。
しかし、実際には、文部科学省が言うよりも地方負担分がふえるわけでございます。文部科学省の、一教室百五十万円の単価ですと、五十万円は国庫補助で、六十万円分は元利償還金の地方交付税措置、地方負担分は実質四十万円ですということで文部科学省は御説明しているんですけれども、単価が一教室三百万円ですから、五十万円の国庫補助、六十万円分の元利償還金の地方交付税措置、そして結局、一教室百九十万円地方負担分ということになるわけで、地方の実質負担というのは非常に大きくなるということでございます。
地方の負担が大きくなるもう一つの理由というのが、やはり一度に大量にエアコン設置が今求められているということでございます。そういう中で、千とか二千とか未設置の教室がある政令市などもございます。政令市に限らず、設置がゼロとか、設置が数%という低い自治体もまだまだ残されておりまして、そこでお伺いをしたいんですけれども、総務大臣にお伺いをしたいというふうに思います。
千とか二千とか、教室、エアコンを一気に行うということになってまいります。地方自治体の負担は大変大きいという認識をお持ちでしょうか。
○石田国務大臣 お答えさせていただきます。
先ほど来答弁しておりますように、平成三十年度の補正予算におきまして、全ての公立小中学校に冷房設備を設置するために、臨時特例交付金で八百二十二億円が冷房設備整備分として計上されたところでございまして、地方自治体においては、この補正予算の趣旨にも鑑みまして、短期的、集中的に多数の工事を実施するための財政負担を生ずるものと認識をいたしております。
○本村委員 財政負担が大きくなるということですけれども、エアコン設置、余りにも単価が低過ぎるために地方負担が大分大きくなってしまうという実態がございます。ぜひ、単価を引き上げることについて、総務大臣から財務大臣、文部科学大臣に強く働きかけるべきだと思いますけれども、総務大臣、お願いしたいと思います。
○石田国務大臣 国庫補助金の補助単価については、まず国庫補助金の所管府省であります文部科学省において、実態を踏まえて適切に設定されるべきものでございます。
一般論として、総務省は各府省に対して、この問題ではなく、各府省に対し、国庫補助金に係る地方団体の超過負担がないか実態を把握し、具体的な措置を講ずることを要請をしてきているところでございます。
今後とも、地方の意見を踏まえつつ、地方団体の財政運営に支障が生じることがないよう、関係府省と十分に調整してまいりたいと思っております。
○本村委員 ぜひ、エアコン設置の補助単価引上げを、総務大臣としても強く求めていただきたいというふうに思います。
総務省、自治体が財政的に困難であるから、エアコン設置取組が、足がもつれるという、実際にもうそういう自治体が出ておりますけれども、そういうことがないように財政支援をしっかりと行っていく必要があるというふうに思います。
実際には、文部科学省の単価と実態が乖離がある中で、財政支援の措置を一層強化するべきだと思いますけれども、大臣、お願いしたいと思います。
○石田国務大臣 先ほど来答弁申し上げておりますように、この制度の、今回の臨時特例交付金の趣旨、それを踏まえて、スムーズに、円滑に運営されることを期待したいと思います。
○本村委員 ぜひ措置をしっかりと総務省としてもとっていただきたい、財政措置をとっていただきたいというふうに思います。
加えて、六月までに短期的に一気に設置を進める取組の中で、夏前までに設置ということになれば、春に工事にかかる必要がございます。事業者との契約、自治体は本当に綱渡りという苦しい状況に置かれております。エアコンの台数確保、準備が間に合わないので、来年の夏までには難しいと言っている自治体も実際にございます。
きょう、経済産業省から副大臣にも来ていただきました。ありがとうございます。
経済産業省としても、来年夏までにスムーズに設置できるように役割を果たすべきだというふうに思いますし、エアコンの数の確保を図っていただきたいと思いますけれども、答弁をお願いしたいと思います。
○関副大臣 公立小中学校等への空調設置につきまして、これは緊急に対応する必要がありますことから、円滑な設置に向けました準備が重要であると認識をいたしております。
経済産業省といたしましては、文部科学省を通じまして、各都道府県に対しまして、一つには、域内の空調設置工事の需要量を、工事関係事業者に対しまして広く情報提供をいただきますこと、二つには、工事の発注に向けた準備を進めていただきますこと、そして三つには、施工に向けました事業者との検討、調整を進めていただきますこと等、早期に事業実施に向けた準備を依頼をさせていただいているところでございます。
また、公立の小中学校等のうち、エアコン未設置の全教室に対応できるだけの予算を文部科学省で設置していることを踏まえまして、エアコン製造メーカーにおきましても必要な生産体制を整えていただいているものと承知をいたしております。
引き続きまして、関係省庁と連携いたしまして、小中学校のエアコン設置がしっかりと進みますように対応してまいりたいと思います。
○本村委員 ありがとうございます。ぜひしっかりとした対応をお願いしたいと思います。
少しテーマがかわりますけれども、災害対応に対する特別交付税の活用について伺いたいというふうに思います。
今回の第一次補正予算に当たって、二〇一七年度余剰金決算から約二千六百億円、地方交付税交付金財源が生まれております。二千六百億円の金額にするかどうかは別として、地方交付税法の現行規定どおり、地方自治体に加算、配分する方法があったのではないかと思いますけれども、その点、大臣にお伺いしたいと思います。
○石田国務大臣 御指摘のとおり、昨年度の国税決算に伴いまして、地方交付税の増収が二千六百八十四億円生じているところでございます。
この取扱いにつきましては、今年度の国税収入の補正の状況も踏まえて判断することとなるわけでありますが、先般成立した補正予算においては、今年度の国税収入の補正が行われていないところでございます。
今後、今年度の国税収入の補正の状況も踏まえつつ、地方交付税の増収分の取扱いについて検討する中で、特別交付税総額の増額についても、被災団体の実情を丁寧にお伺いしながら、状況の把握に努め、その必要性について検討してまいります。
○本村委員 地方交付税法では、各年度に交付すべき地方交付税総額が増額となった場合、当該年度の特別交付税に加算して地方自治体に配分するというふうに規定をしております。
ことしは、大阪北部地震、豪雨災害、台風、北海道の胆振東部地震など大きな自然災害が相次いでおります。その際、被災自治体が求めているのが特別交付税だというふうに思います。復旧復興の今の仕組みに乗らなくても、独自で必要な経費を賄うことができますので、現行規定がありますので、活用するべきだというふうに思います。
北海道の厚真町ですとか、むかわ町ですとか、安平町、三町を始め多くの被災自治体から特別交付税の増額要望が出ております。また、前回指摘しただけで質問できませんでしたので、広島市長から、被災をして職員の残業代はかさんでいるが、ほかの自治体から職員派遣を受けた場合とは違い、国からの特別交付税の対象とならない、ぜひ考慮してほしいという声が上がっているという報道もございます。
こういう声に応えるべきだというふうに思いますし、交付税総額の拡充と特別交付税に占める六%の枠の拡大、これも検討するべきだと思いますけれども、最後に大臣、お願いしたいと思います。
○石田国務大臣 特別交付税は、地方交付税制度の前身となる平衡交付金制度も含めると、当初、総額の一〇%であったものが八%、六%と引き下げられ、昭和三十三年から平成二十二年まで六%が維持されてまいりました。
その後、平成二十三年に特別交付税の割合を更に引き下げる法案を提出をしましたが、東日本大震災の発生によりこれが凍結され、その後、平成二十八年に、多発する自然災害への対応等を踏まえて、六%を継続する法改正がなされたところであります。
御指摘のとおり、近年、自然災害が多発している状況でございますが、平成二十八年に、全国市長会、全国町村会からの要望等も踏まえ、六%を継続することとしたものであり、制度発足以来の経緯や普通交付税において精緻に算定することが一層可能となっていること等を踏まえますと、六%を引き上げる状況ではないと考えているところでございます。
いずれにいたしましても、今年度につきましては、例年以上に災害が発生している状況を踏まえ、被災団体の実情を丁寧にお伺いしながら、特別交付税総額の増額の必要性について検討してまいりたいと思っております。
また、広島市の市の職員に係る残業手当、これについての御質問がございました。
地方公務員の給与における時間外勤務手当については、標準的な経費として普通交付税により措置をしているところでございます。
また、災害時におきましては、時間外勤務手当を含む応急対策等に係るさまざまな財政需要について、災害復旧事業費や罹災世帯数等に基づき、特別交付税により包括的な措置を講じているところでございます。
いずれにいたしましても、特別交付税について、被災団体の実情を丁寧にお伺いしながら算定作業を進め、その財政運営に支障がないよう適切に対応してまいりたいと思っております。
○本村委員 どうもありがとうございました。
参考資料
https://motomura-nobuko.jp/wp-content/uploads/2018/12/20181204soumu.pdf