もとむら伸子(日本共産党衆議院議員)-
国会質問

質問日:2021年 4月 13日 第204国会 総務委員会

民主主義ゆるがす問題 フジHD外資規制違反

しんぶん赤旗 2021年4月14日

民主主義ゆるがす問題 フジHD外資規制違反 本村氏が追及 衆院総務委

 日本共産党の本村伸子議員は13日の衆院総務委員会で、フジテレビなどを傘下に持つフジ・メディア・ホールディングスが放送法の外資規制に違反していたことについて「日本の放送の自由を確保するため、健全な民主主義の発展のため、ゆるがせにできない問題だ」とただしました。

 本村氏は、外資規制違反が判明した際、すぐにその事実を発表しなかった理由を追及。参考人として出席したフジ・メディアHDの金光修社長は「株主、投資家の保護をしなければならないので(認定が)取り消しになるのか、ならないのか、その判断を総務省に聞くことを最優先させた」と答えました。

 また、本村氏は、武田良太総務相が1981年の「内閣法制局見解」を根拠に、2014年当時、総務省への報告時に外資規制をクリアしていれば認定取り消しの処分はしないと判断したことを正しかったとしていることについて追及。法制局見解の現物や出された背景について調べて国会に報告するよう求めました。

 総務省の吉田博史情報流通行政局長は「(法制局見解については)非開示情報の有無を確認中」「(見解が出された)事情は確認できていない」などと言い逃れました。

 本村氏は、法制局見解だと「(外資規制違反を)黙っていた方が得をすることになる」と批判し、対応の是正を求めました。武田総務相は「外資規制の抜本的な見直しについて、法改正も視野に迅速に検討する」と答えました。

 

議事録

204-衆-総務委員会-14号 2021年4月13日

○本村委員 日本共産党の本村伸子でございます。どうぞよろしくお願いを申し上げます。
 放送事業者の外資規制の問題は、日本の放送の自由を確保するため、そして健全な民主主義の発展のためにも必要だというふうに考えております。ゆるがせにできない問題として、今日はフジ・メディア・ホールディングスの金光社長への質問をさせていただきたいというふうに思います。よろしくお願いいたします。
 まず、先ほど来議論がありますので、おさらいのような形になると思いますけれども、外資規制違反はどのような経過で気づいたのか、年月日、時期も含めてお示しをいただきたいと思います。
○金光参考人 二〇一四年九月期の株主を確定する作業が終わって名簿確定された十月二十日、その後に議決権控除が過去も行われていたかの確認をして気がつきましたので、その過去のミスに気がついたのは二〇一四年十月末から十一月頭のことでございます。
 それで、気がつかなかった理由ですか。(本村委員「また。いいです」と呼ぶ)よろしいですか。
○本村委員 金光社長、当時ちょっと役目は違ったかもしれないんですけれども、この放送法の外資規制違反の問題について、金光さん自身はいつお聞きになられましたでしょうか。
○金光参考人 お答え申し上げます。
 二〇一四年十一月の下旬でございます。
○本村委員 そのときに、証券保管振替機構での相互保有株式の情報開示と提出済みの四半期報告書にはそごがあるという御報告がございましたでしょうか。
○金光参考人 有価証券報告書の訂正に関しましては、その数字が微小なため訂正義務はないということで、訂正しておりません。
 それで、株主権の議決権比率に関することに関しましては、その情報がどういう結果をもたらすかによって、その情報をするタイミング、その時期というのは適切に考えなければいけません。我々は上場会社でございますので、株主の保護、投資家の保護をしなければいけないので、その結果が認定される前、取消しになるかならないかが決まっていない時点でその情報を開示するということは、投資家、株主に対して投資判断を誤らせる情報を出すことでございますので、したがいまして、すぐにその判断を総務省に伺ってお聞きするということをその時点で最優先させたということでございます。
 以上、お答え申しました。
○本村委員 金光さんが十一月にお聞きになったときに、提出済みの四半期報告書の中で総議決権数の記載について、ディ・コンプレックスの相互保有株の個数なんですけれども、それは百個が控除されていなかったということでよろしいでしょうか。
○金光参考人 お答え申し上げます。
 さようでございます。
○本村委員 そのことについて関東財務局に訂正報告はいつされたのかというのもちょっとお伺いしたいんですけれども、有価証券報告書でいうと二〇一三年三月期、二〇一四年三月期、そして、四半期報告書でいいますと二〇一二年九月、二〇一二年十二月、二〇一三年六月、二〇一三年九月、二〇一三年十二月、二〇一四年六月、二〇一四年九月、臨時報告書でいいますと二〇一四年六月ですけれども、訂正はいつ出されましたでしょうか。
○金光参考人 お答え申し上げます。
 その相互保有株の当該株は売却されておりましたので、訂正する必要はなかった状態でございます。
○本村委員 外資規制違反の総務省への報告についてなんですけれども、いつ、誰が、どこで、誰に報告したのか、お示しをいただきたいというふうに思います。そして、報告に当たって、事前のアポイントメントは、いつ、どのように、誰に取ったのか、お示しをいただきたいと思います。
○金光参考人 お答え申し上げます。
 二〇一四年十二月初旬に、私が放送政策課長のところにお伺いいたしました。そのアポイントをどういう形で取ったかというのは、具体的には記憶がありませんが、こちらから御連絡をしてお時間をいただいたというふうに思っております。
 以上、お答え申しました。
○本村委員 先ほど来お話がありましたように、外資規制に違反していたということに気づいた時点と総務省への報告がずれているという議論がありましたけれども、改めて、報告までに時間がかかったのはなぜかという点もお示しをいただきたいと思います。
○金光参考人 そのミスに気がついたのが二〇一四年十月の末から十一月の初旬でございました。それで、総務省の方にお伺いしたのが十二月の初旬でございましたので、その間、一か月強がございます。そのミスに気づいたときに、その当該部署、総務それから財務経理は、この情報を開示すべきかどうかというところで、公表すべきかどうかというところで議論がされていたというふうに聞いております。
 それで、私のところに来たときには、先ほど申し上げましたように、有価証券報告書の訂正は訂正義務がない。議決権定数をオーバーしていることに関しては、結果によって全く異なる事象であるので、何しろ総務省の方に確認をしなければいけない、それを最優先しなければいけないということで、十一月末にそれを聞いたところで、十二月の初旬にお伺いして確認作業をしたということでございます。
○本村委員 報告に行った際に、総務省がどのような話をしていたかということを詳細にお示しをいただきたいと思います。
○金光参考人 現段階においては正常に計算されていますが、過去約二年間にわたって外資規制をオーバーしていることがあったということで、おわびを申し上げました。それに加え、その経緯を記したもの、原因を示したもの、対応を示したもの、それから、どれぐらいオーバーしているかということで、〇・〇〇〇四%から〇・〇〇〇八%オーバーしているということを記載した書類を提出しております。
○本村委員 済みません、その報告をしたときに、総務省側がどのような話をしたかということを詳細にお示しをいただきたいと思います。
○金光参考人 お答え申し上げます。
 その時点においては、かなり専門的な分野の話で、そのことを多分御理解されるのが大変だったと思うので、私の記憶では定かではないんですが、その経緯とかその意味合いの御質問を受けたのではないかというふうに記憶しています。
○本村委員 総務大臣も見解をされておりまして、二〇一四年当時、フジ・メディア・ホールディングスに対し総務省から厳重注意があったという報告がありましたけれども、どのような中身だったのか。先ほども口頭だというので、口頭、対面、電話、あるいは文書、メール、どういう状況だったかをお示しをいただきたいと思います。これは金光さんにお願いしたいと思います。
○石田委員長 総務省側と言わなかった。
○本村委員 いや、違います。金光さんに通告をしております。通告をしております。金光さんに通告をしております。
○石田委員長 ちょっと待って。
 じゃ、吉田情報流通行政局長、ちょっと答えて。
○吉田政府参考人 総務省の対応ですので、私の方からお答えいたします。
 総務省の当時の担当者に確認しましたところ、総務省から同社に対し、今後このようなことを二度と起こさないよう口頭にて厳重に注意をしたということは確認できております。
○本村委員 じゃ、金光さんにお伺いをいたします。厳重注意、どういう話があったのかということをお示しをいただきたいと思います。
○金光参考人 お答え申し上げます。
 本件に関しましては、厳重注意します、二度とこのようなことが起こらないように再発防止策に努めてくださいということを言われたというふうに思っております。
○本村委員 それだけだったということでしょうか。
○金光参考人 極めて短いということで記憶しておりますので、覚えている限りにおいては、それだけのことだったというふうに考えております。
○本村委員 最初に報告したときから厳重注意を受けるに至るまで、総務省とはどのようなやり取りがあったのか、時系列でお示しをいただきたいと思います。
○金光参考人 お答え申します。
 最初に総務省に赴いてから二回目までの間ということでございますか。(本村委員「はい」と呼ぶ)一切の連絡はしておりません。
○本村委員 一回目はどういうやり取りをして、二回目はどういうやり取りをしたのか、お示しをいただきたいと思います。金光さんでお願いいたします。
○金光参考人 お答え申し上げます。
 一回目は、現在は適正な計算方式で議決権は確定していますが、過去において、外資規制である二〇%未満をオーバーしているという状態であったということを御報告して、深謝いたしました。あと、資料をお渡ししたということです。(本村委員「二回目は」と呼ぶ)
 二回目は、もう記憶にあるのはそのときで、本件に関して厳重注意をするということを言われたということであります。
○本村委員 外資規制違反が分かったときになぜ記者会見、報道発表しなかったのか、なぜ二〇二一年になって発表したのかということ、見解を伺いたいと思います。
○金光参考人 お答え申し上げます。
 この外資規制に違反していることに関する経営に与える影響は、認定が取り消されるかどうかによって全く違います。したがいまして、それが確定した段階で、もし認定が取り消されるということが判断された場合は、適時開示、即時開示しなければなりません。それが取り消されないという判断をした場合に関しては、そのミスは非常に、会社の経営に影響を与えませんので、開示義務は生じておりません。
 ただし、今考えれば、その認定が取り消されないという判断があったときに、このような重大なミスを犯したということを発表して謝罪するべき、そのときには、そのミスが経営には影響を与えないということを正しく丁寧に説明して、その報告をしなければいけなかったというふうに反省しております。申し訳ございません。
○本村委員 なぜ二〇二一年に公表されたんでしょうか。
○金光参考人 外部からその確認をされて、改めてその過去の経緯を調べ、今のその事実を再度確認した上で、これは発表すべきだというふうに判断をいたしました。
○本村委員 外資規制に違反をしていたこと、あるいは四半期報告書などの訂正について、公表しないようにということで、総務省からそういう示唆があったか、あるいは、それを示唆するような言葉があったかということを確認をさせていただきたいと思います。
○金光参考人 そのような示唆は一切ございません。
○本村委員 訂正は必要ないというふうにおっしゃったんですけれども、虚偽記載による証券取引等監視委員会による課徴金の納付命令を受けるリスクについてどう考えていたかということや、あるいは、東証の監理銘柄やあるいは特設注意市場銘柄への指定のリスクをどういうふうに考えていたのかという点、お示しをいただきたいと思います。
○金光参考人 お答え申し上げます。
 有価証券報告書の訂正に関しては、金融取引法に従って、今回起こった総議決権数の誤りに関しては訂正義務がないということを確認しました。
 一方、このミスが認定の取消し等々になった場合は、監理ポストに入るというようなことも当然想定いたしました。
○本村委員 この外国人等議決権の間違いなどについて、総務省以外に報告している先があればお示しをいただきたいと思います。
○金光参考人 お答え申し上げます。
 弁護士事務所に相談しておりました。
○本村委員 証券保管振替機構での相互保有の株式の情報開示をしていたわけですけれども、そこと四半期の報告書と違ったということがあったわけですけれども、証券保管振替機構ですとか、関東財務局ですとか、信託銀行ですとか、そういったところには報告はされなかったということでよろしいでしょうか。
○金光参考人 お答え申し上げます。
 保振に関しては、議決権の関係はございませんので、そこに御報告する義務はないと考えております。
○本村委員 先ほど岡本議員が出された資料の中で、議決権の取扱いに関する過誤についてということで、記者発表がありましたけれども、今年の四月五日の資料ですけれども、この訂正は、では、どこにも報告していないということでしょうか。百個控除していなかったという点について。
○金光参考人 このミスを報告する最大の相手は総務省でございます。したがいまして、その結果が確定される前に発表することは、いたずらに株主、投資家を不安に陥れるということがありますので、その判断をされる総務省に報告するのが最優先であるというふうに考えました。
○本村委員 もう一つお伺いしたいのが、先ほども御議論がありましたフジテレビジョンとの関係なんですけれども、ホールディングスの方は二〇一二年から二〇一四年、外資規制違反をされていたわけですけれども、その一〇〇%子会社がフジテレビジョンということで、そうしますと、電波法の方の外資規制に違反するのではないかというふうに思うんですけれども、そこは外資規制違反はなかったという御認識でしょうか。
○吉田政府参考人 お答えいたします。
 特定地上基幹放送事業者であるフジテレビジョンにつきましては、電波法の規定に基づき、外国人等により直接又は間接に占められる議決権の割合の合計が五分の一以上となることが欠格事由とされております。
 この間接に占められる議決権割合の計算方法のルールは、電波法関係法令におきまして定められているところでございます。
 そのルールによれば、認定放送持ち株会社を親会社とする特定地上基幹放送事業者につきましては、認定放送持ち株会社を通じて外国人等が間接に保有する議決権をカウントしないということとされております。
 このため、フジ・メディア・ホールディングスが外資規制に違反した期間においても、フジテレビジョンは、電波法に基づく外資規制の関係でこの不適合ということはなかったということでございます。
○本村委員 間接的なことでも外資規制があるんだと、特に地上波は影響が大きいからという御説明を総務省からも受けてまいりましたけれども、そこには様々な抜け道があるんだということが今分かったのではないかというふうに思います。
 ちょっと総務大臣にもお伺いをしたいんですけれども、外資規制をしていたフジ・メディア・ホールディングスに対し、認定の取消しはしないと決めた根拠となっておりますのが一九八一年の内閣法制局見解、内閣法制局の意見書なんですけれども、これはなかなか出していただけないということで、現物のコピーをすぐに提出をしていただきたいというふうに思いますけれども、大臣、すぐに出していただきたい。大臣が、ほら、大臣が記者会見で言っておりますから、大臣も読んだはずです。
○石田委員長 いやいや、ちょっと待って。
 吉田情報流通行政局長、ちょっとその辺り、話をしてください。
○吉田政府参考人 御指摘のものは、一九八一年に、当時の郵政省から、電波法の放送局の免許に係る外資規制に関し内閣法制局に相談し、考え方が整理されたものでございます。
 同資料につきましては、非開示情報の有無等について現在確認中でございます。
 いずれにせよ、国会からの要請があれば、真摯に対応してまいりたいと存じます。
○本村委員 なぜ一九八一年に内閣法制局見解、内閣法制局の意見書が出されたのか、お示しをいただきたいと思います。
○吉田政府参考人 お答えいたします。
 その当時、当時の郵政省から内閣法制局に相談を行い、これに対して内閣法制局が考え方を整理していただいたものでございます。
○本村委員 どういう事情があったのかということをお示しをいただきたいと思います。
○吉田政府参考人 ちょっと、事情については確認できておりません。
○本村委員 それは調査をして、この委員会に報告をしていただけますでしょうか。
 大臣、お願いしたいと思います。
○吉田政府参考人 当時の状況について、確認をいたしましたが、現時点では確認できておりません。
○本村委員 調査をしてくださいとお願いをさせていただいております。
 大臣、大臣が記者会見でおっしゃられた言葉ですから、大臣が責任を持って、どういう背景があったか、調査をしていただきたいと思います。
 大臣も事情を知らずに、これがあるからとおっしゃったんですか。
○武田国務大臣 先ほど、もう十分説明したと思うんですけれども……(本村委員「いや、していないですよ」と呼ぶ)いや、答えていますから。質問に答えているわけですから。
 一九八一年に、当時の郵政省から、電波法の放送局免許に係る外資規制に関し内閣法制局に相談し、これに対して内閣法制局が考え方を整理したものに基づいた、これだけであります。
○本村委員 具体的なあるケースがあってそういうことになったと思うんですね。そのケースについて、しっかりと、どういう事情があったのか、当時の郵政省が聞いたというだけじゃなくて、聞く背景があるはずですから、それを調査してくださいと言っているんです。
○吉田政府参考人 私どもが現在残っている文書において確認したところ、その事情については確認できておりません。
○本村委員 調査をしてください。それで終わりにしないということでいいですね。引き続き調査をして報告していただけるということでよろしいでしょうか。
○吉田政府参考人 引き続き確認はさせていただきたいと存じます。
○本村委員 報告をしていただきたいというふうに思います。大臣、よろしいですね、それで。
○武田国務大臣 ただいま局長の答弁したとおりであります。
○本村委員 大臣がおっしゃった言葉でもあるかというふうに思うんですけれども、外資規制違反について、総務省に報告したときに外資規制の要件をクリアしていた場合は認定取消しの処分はしないということでございました。そして、総務省に報告したときに外資規制をクリアしていない場合は処分するという対応であれば、黙っていた方が得になるというふうなことになってしまいます。こういう対応は是正するべきだというふうに考えますけれども……
○石田委員長 本村君、申合せの時間が過ぎていますから、新しい質問に入らないでください。
○本村委員 はい。大臣、お願いいたします。
○武田国務大臣 いずれにせよ、外資規制の抜本的な見直しにつきまして、法改正も視野に、迅速に検討を進めてまいりたいと考えています。
○本村委員 終わります。ありがとうございました。

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参考資料

https://motomura-nobuko.jp/wp-content/uploads/2021/04/20210413.pdf

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