もとむら伸子(日本共産党前衆議院議員)-
国会質問

質問日:2017年 5月 19日 第193国会 国土交通委員会

地方鉄道守れ

2017年5月27日(土) しんぶん赤旗

被災鉄路の復旧急げ 本村議員 「廃線に歯止めを」

写真

(写真)質問する本村伸子議員=19日、衆院国交委

 日本共産党の本村伸子議員は19日の衆院国土交通委員会で、全国で鉄道路線の廃止提案が相次いでいると指摘し、鉄道路線の廃止に歯止めをかけるため共産党が発表した政策を紹介し、政府が主導して鉄道路線の維持再生を進めるよう求めました。

 本村氏は、新潟・福島豪雨で不通が続くJR只見線の復旧にJR東日本が難色を示していたことにふれ、「国が音頭をとって復旧させるようJR東日本に指導すべきだ」と訴えました。石井啓一国交相は「必要な協力や助言をしたい」と述べました。

 本村氏は、国が主導して被災した鉄道路線の復旧を最優先する仕組みをつくるべきだと指摘。各鉄道事業者が応能負担で拠出し、被災時に早急に利用できる「鉄道災害復旧基金」をつくる提案をしました。

議事録

○本村(伸)委員 日本共産党の本村伸子です。
 地方鉄道の相次ぐ廃線に歯どめをかける立場から質問をいたします。
 二〇〇〇年以降、廃線となった鉄道路線は、資料をお配りして、間もなく届くというふうに思いますけれども、全国で三十九路線、七百七十一・一キロです。
 そこで確認いたしますけれども、今、鉄道事業者から、今後、廃線、バス転換も含みますけれども、そうした提案が示されている路線をお示しいただきたいと思います。
○奥田政府参考人 お答え申し上げます。
 御指摘の路線でありますけれども、まず、鉄道事業法に基づく廃止の届け出がなされた路線といたしまして、JR西日本の三江線江津―三次間がございます。この三江線につきましては、現在、地元関係者間において代替交通確保に関する協議が行われているところでございます。
 次に、鉄道事業法に基づく廃止の届け出はなされておりませんが、バス等へ転換することについて地元と合意がなされた路線として、JR北海道の石勝線夕張支線新夕張―夕張間、JR東日本の大船渡線の盛―気仙沼間及び気仙沼線の気仙沼―柳津間がございます。石勝線夕張支線につきましては、現在、新たな交通体系構築についての協議が行われております。それから、大船渡線及び気仙沼線につきましては、BRTによる本格復旧で合意がなされております。
 次に、バス等への転換について地元に提案がなされている路線といたしまして、JR北海道日高線鵡川―様似間、札沼線北海道医療大学―新十津川間、留萌線深川―留萌間及び根室線富良野―新得間がございます。
 日高線につきましては、現在、沿線自治体による調査・検討協議会において、DMVやバスを含む地域交通に関する検討が行われております。また、札沼線、留萌線及び根室線につきましては、JR北海道は単独では維持困難であるとして、平成二十八年十一月、持続可能な交通体系とするために、バス等への転換について地域との協議を開始したい意向を表明しております。
 なお、平成二十三年七月の豪雨により被災し、運休となっておりますJR東日本の只見線の会津川口―只見間につきましては、JR東日本は、利用者数が少ないことから鉄道としての復旧が難しいとしておりましたが、本年三月、福島県JR只見線復興推進会議が開催され、復旧費の三分の二を地元、三分の一をJR東日本が負担し、復旧後は、地元が鉄道施設を保有し、JR東日本が運行を行う、上下分離方式により鉄道を復旧させるとの方針が決定されたことを踏まえ、現在、JR東日本と福島県との間で鉄道復旧に関する合意に向けた協議が進められているところでございます。
○本村(伸)委員 二〇〇〇年以降、七百七十一・一キロも廃線をされました。まだ廃線される傾向が続くわけです。
 赤字の路線をどんどん廃線していけば、資料のの二でお配りしておりますけれども、これは全国の鉄道ネットワークの状況で、黒い線が路線、そして廃線になったものが赤色の線になっております。一番下を見ていただきますと、路線別収支で赤字となる路線を除外すると、このように、本当に幹線だけ、都市部だけというふうになってしまうわけです。この資料は環境経済研究所上岡直見先生の資料ですけれども、こういう状況になってしまうわけです。
 JR北海道を含め、維持できないとか、廃止の提案が相次ぐ現状、原因について、大臣はどういうふうに認識されているのか。そして、今、地方鉄道の維持、再生に力を入れなければ、ますます地方から人口が流出して寂れてしまう。地方鉄道の維持、再生が今必要だというふうに思いますけれども、大臣の答弁をお願いしたいと思います。
○石井国務大臣 地方鉄道の路線の中には、地域の人口減少やマイカー等の他の交通手段の発達に伴い、利用者が減少し、鉄道の特性を発揮しづらくなるなど、厳しい状況に置かれている路線があると認識しております。また、こうした路線の中には、鉄道事業の廃止に至った路線もあるものと認識しております。
 そのような中、国土交通省といたしましても、地方鉄道の維持、活性化に向けまして、鉄道の安全輸送確保のための投資に対する補助、新駅の設置やICカードの導入など、利用者の利便性の向上に資する施設整備に対する補助といった支援を行っております。
 地方鉄道の維持に関する問題につきましては、利用促進を初めとする活性化に向けた取り組みを行いつつ、地域の実情に応じた持続可能な公共交通のあり方に関する検討が行われる中で、十分議論していただくことが重要と考えております。
 国土交通省といたしましても、鉄道のあり方も含め、地域の実情に適した地域公共交通のあり方について、地域における関係者の間で十分に議論がなされるよう、必要な支援をしてまいりたいと考えております。
○本村(伸)委員 地域の実情を含めとおっしゃいましたけれども、例えば、バス転換では地域が寂れてしまうということがさまざまな研究によって明らかになっている都市もあるわけです。
 既に、地方は、人口流出、人口減少で、地域の経済も衰退して苦しんでおります。地方鉄道の廃線は、それに拍車をかけてしまうというふうに思うんです。だからこそ、地方鉄道の支援こそ今必要だということを強く申し述べたいというふうに思います。
 石破茂前大臣がアエラでこういう発言をされております。
 鉄道はもうからないといけないという概念そのものが間違っているとは言わないけれども、世界の考え方とは違います。鉄道は赤字でけしからぬという考え方は日本特有です。例えば、フランスの鉄道は収入の中で運賃収入は二割、残りの八割は公的な支援である。もうかるのであれば、公共インフラである必要はありません。公的インフラとしての鉄道を考える必要はあるでしょうというふうにおっしゃっております。
 道路には、かなり、兆という税金が使われているわけですけれども、地方鉄道も大事なインフラだというふうに思います。道路と同じように大事なインフラとして、鉄道も支援するべきだというふうに思います。
 大問題なのは、災害に遭って、そのまま放置し、廃線の口実にするケースが多いということでございます。
 被災して困難を抱えて苦しんでいる地域の方々を切り捨てるということは絶対にあってはならないというふうに思います。こういうことを許せば、被災地は幾重にも困難を抱えてしまうというふうに思います。
 道路だったら、被災した場合は、廃線とかはなく、すぐに復旧作業に入るわけです。しかし、地方鉄道は、被災したら廃線という傾向が強いわけです。被災した鉄道会社の専務さんが、鉄道には復旧のロジックがないというふうにおっしゃっておられた。
 とにかく早急に復旧するということを最優先にするべきだというふうに思います。誰が負担するかなどで議論が長くかかってしまって、復旧がなかなか進まないということが多々あるわけですから、無条件に復旧するための仕組みを国としてつくるべきだというふうに思います。
 例えば、鉄道災害復旧基金というものをつくって、各鉄道事業者から、能力に応じて、応能負担で保険料のようなものを拠出してもらう。被災したら、すぐに復旧に使える。政府が主導してこうした基金をつくるべきだということを私ども日本共産党は提案させていただいております。
 こういうこともぜひ検討して、被災した鉄路がすぐに復旧できるようにするべきだと思いますけれども、大臣、お願いしたいと思います。
○石井国務大臣 被災した鉄道施設の復旧に対する国の助成措置といたしましては、鉄道軌道整備法による補助制度がございます。この制度は、過去三年間の各年度において鉄道事業及び全事業が経常損失もしくは営業損失を生じていること等、経営の厳しい鉄道事業者が対象となっております。
 国土交通省といたしましては、この制度に基づいて、被災した鉄道施設の復旧に対して支援を行ってまいりたいと考えております。
 また、災害により損害が生じた橋梁やトンネル等の土木構造物につきましては、その損害を補償する民間保険会社の土木構造物保険の制度がございます。鉄道事業者は、この保険の活用により、自己負担額の軽減を図ることも可能であります。
 いずれにいたしましても、被災した鉄道の復旧につきましては、基本的には、事業主体である鉄道事業者が、復旧のあり方や輸送形態等について、地方公共団体等と議論しながら対応していく必要があると考えております。
 なお、鉄道の災害復旧に充てるため、鉄道事業者から資金を拠出させる制度を創設することは、ある地域の利用者負担により別の地域の鉄道の災害復旧に充てることと同じことになりまして、慎重な検討が必要と考えております。
○本村(伸)委員 地方自治体といいますけれども、大体、廃線を提案される路線というのは、地方自治体の財政力がないからこそ、地方自治体の皆さんが大変悩んでいるわけです。現行制度よりも前進させなければ、やはり今、日高線とか只見線とか南阿蘇鉄道などもなかなか復旧しないという現状がございます、こういうところを早急に復旧していただきたいというふうに思っているわけでございます。だからこそ、私どもは、鉄道災害復旧基金の創設などを早急に検討していただいて、早急に復旧できる仕組みをつくるべきだということを提案させていただいているわけです。
 関連して、JR東日本の只見線の問題についても質問させていただきたいんです。
 只見線は、二〇一一年、新潟・福島の豪雨で被害に遭って、いまだに復旧をされておりません。JR東日本は、先ほどもお話がありましたように、鉄路復旧に難色を示し、地元の皆さんの要求に対しても最初は消極的であったということでございます。
 資料三を見ていただきますと、JR各社の財務状況が、JRの資料でつくらせていただいた資料ですけれども、JR東日本は巨額のもうけを上げているわけです。鉄道事業の営業収益は三千七百二十二億円、そして売上高経常利益率は一七・五%と巨額のもうけを上げているにもかかわらず、被災した鉄路を早急に復旧しなかった、廃線さえ考えていたというのは、本当に許しがたいことだというふうに思います。
 一方で、沿線自治体の皆さんや住民の皆さんは、何としてでも鉄路復旧をということで、不安を抱えながら、鉄道基盤を地元で保有し、運行をJR東に委ねる上下分離方式をJRに提案して、JRもそういう方向で提案したということを聞いております。これまでにない経営形態で、初めての仕組みです。
 地元では、将来の維持、運行費の負担増を気にしながらも、JR只見線の復旧を切望しておられます。国として音頭をとって、住民の皆さんの要望に応えて、早急に復旧させるよう、JR東日本に指導するべきではないですか。
○石井国務大臣 平成二十三年七月の豪雨により被災し、運休となっておりますJR只見線の会津川口駅―只見駅間につきましては、本年三月二十七日、地元におきまして、上下分離方式により鉄道を復旧させるとの方針が決定されたと承知しております。
 その後、三月三十一日に、福島県知事からJR東日本の社長に対し、只見線を上下分離方式で復旧するよう要請がなされたところであり、JR東日本からは、要請の内容を重く受けとめ、現在、復旧に関する合意に向けて、福島県との協議を鋭意進めているところと聞いております。
 国土交通省といたしましても、この協議が円滑に進むよう、必要な協力や助言をしてまいりたいと考えております。
○本村(伸)委員 早急に復旧されるように、ぜひ国が強力に支援していただきたいというふうに思います。
 次に、JRを除く地域鉄道の問題について質問をさせていただきたいと思います。
 九十六社の地域鉄道の経営状況は今どうなっているのかという点、そして、仮にその事業者の経常赤字を合計すると幾らになるのかという点、お示しいただきたいと思います。
○奥田政府参考人 お答え申し上げます。
 鉄道は、各地域におきまして、地域住民の生活や経済活動を支える輸送機関としての役割を果たしておりますが、地方の中小民鉄事業者及び第三セクター鉄道事業者、いわゆる地域鉄道事業者の中には、利用者の減少により、厳しい経営状況に置かれている事業者があるところでございます。
 平成二十六年度の決算に基づき、地域鉄道事業者の具体的な経営状況につきまして申し上げますと、全九十四事業者のうち、鉄道事業単体の営業損益ベースで、営業黒字を計上している事業者が二十三社、営業赤字を計上している事業者が七十一社、鉄道事業のほかにバス事業や不動産事業などを含む全事業の営業損益ベースで、営業黒字を計上している事業者が三十四社、営業赤字を計上している事業者が六十社、全事業の経常損益ベースで、経常黒字を計上している事業者が三十一社、経常赤字を計上している事業者が六十三社となっておりまして、全事業の経常損益ベースによれば、約七割の事業者が赤字という状況になっております。
 また、平成二十六年度の決算において、全事業の経常損益ベースで経常赤字を計上している六十三社の経常赤字額を合計いたしますと、約九十六億円となっております。
○本村(伸)委員 ありがとうございます。
 先ほどもお話をしましたように、フランスでは、鉄道の赤字は当たり前ということで、補助をしております。ローカル線を守るためにも、今、バスの赤字路線への補助はあるわけです。しかし、鉄道の赤字路線への補助はないということで、鉄道の赤字路線にもバスと同じような補助をするべきだというふうに思いますけれども、大臣、お願いしたいと思います。
○石井国務大臣 鉄道は、大量の旅客を高速で、かつ定時に輸送できる一方、多額の固定費用がかかるという特性を持った交通機関であります。
 利用者が少ない路線では、大量の旅客を高速で、かつ定時に輸送できるという鉄道の特性を発揮することは困難であるため、そのような路線については、バスなど他の交通機関が、それぞれの特性を踏まえ、適切に役割を分担することにより、必要かつ持続可能な公共交通サービスを効率的に提供していくことが重要であると考えております。
 このため、鉄道の特性が発揮できず不採算となる鉄道路線について、国がその赤字を補填することにより路線の維持を図ることは行っていないというところでございます。
○本村(伸)委員 先ほどの答弁でも、百億円ぐらいあれば全国で助かるわけです。バスの赤字路線と同じように、鉄道の赤字路線の補助をぜひ検討していただきたいというふうに思います。
 最後に、JR北海道についてもお伺いしたいというふうに思います。
 大臣は、予算委員会の答弁などでも、国鉄分割・民営化の方針どおり完全民営化を目指すということを繰り返しております。JR北海道の完全民営化、これが本当にできるのか、どういうビジョンを持っているのかということ、大変疑問に思うわけです。
 麻生財務大臣は、予算委員会の中で、JRの分割は商売のわからない人が考えた、JR北海道をどうするかは、根本的なところを触れずしてやるのは無理と答弁をされておられます。閣僚経験者の方や、あるいは自民党内の皆さんからも、根本的なところから変える提案が出されております。
 三十年もたっているのに、当時のまま完全民営化を目指すというのは実態とずれているというふうに思います。そのことに固執することが北海道の皆さんを苦しめているというふうに思います。
 完全民営化を目指すということは、経営を黒字化するということはもちろんのこと、不採算部門を切り捨てる、効率的な経営を求めるということにならざるを得ないというふうに思います。圧倒的に不採算路線を抱えるJR北海道に完全民営化の圧力をかければかけるほど、赤字路線廃止が計画される、そういうことになるんじゃないかというふうに思うわけです。
 JR北海道の路線の廃止を食いとめるためにどうするかということを、自治体やJR任せにせず、国として真剣に検討するべきじゃないですか、大臣。
○石井国務大臣 JR北海道は、地域の人口減少やマイカー等の他の交通手段の発達に伴い、路線によっては輸送人数が大きく減少し、鉄道の特性を発揮しづらい路線が増加している厳しい状況に置かれていると認識しております。
 国は、これまで、JR北海道に対しまして、経営安定基金の運用益の下支え、経営安定基金の実質的な積み増し、設備投資に対する助成や無利子貸し付けなど、累次にわたって支援を行ってきたところでございますが、今後、地域における持続可能な交通体系を構築していくために、関係者において速やかに協議を行っていただく必要があると考えております。
 国といたしましても、北海道庁と連携しながら、これらの協議に参画し、地域における持続可能な交通体系の構築に向けた対応につき、検討してまいりたいと考えております。
○本村(伸)委員 地方路線を守るために、国が、国交省がもっと責任を果たすべきだということを強く申し述べ、質問を終わらせていただきます。

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参考資料

http://motomura-nobuko.jp/wp-content/uploads/2017/06/107a55f5b69761a37a4424377ea85137.pdf

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