もとむら伸子(日本共産党衆議院議員)-
国会質問

質問日:2015年 5月 13日 第189国会 国土交通委員会

旅客鉄道株式会社及び日本貨物鉄道株式会社に関する法改定案 参考人質疑 反対討論

2015年5月14日(木) しんぶん赤旗

JR九州 安全よりも収益か 本村氏が民営化計画追及

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(写真)質問する本村伸子議員=13日、衆院国交委

 日本共産党の本村伸子議員は13日の衆院国土交通委員会で、JR九州を完全民営化(株式上場)させる法案に関して質問。このなかで同社が今年度の事業計画で、効率化やコスト削減を推進するなどとした「経営基盤の整備」を第一に掲げ、「安全」よりも収益を優先する姿勢を示していることを明らかにしました。

 事業計画では「安全の確保」は2項目に上げられていますが、JR西日本や東日本、北海道の事業計画などは「安全」を第一に掲げています。

 本村氏は、参考人として出席したJR九州の青柳俊彦社長に対し、「真っ先に考えなければならないのは公共交通としてどう役割を果たすかだ。安全確保が求められている」と迫りました。

 「上場にかかわらず安全を最優先にした経営を努める」と答える青柳氏に対し本村氏は、JR西日本が05年度の社長方針で「稼ぐ」を第一に掲げ、安全投資を渋ったことがその年の福知山線の大惨事につながったと指摘。青柳氏がメディアで路線廃止の検討も含め、くりかえし「効率化」と語っていることにふれ、「株価を上げることが目的になり、利用者の利益よりも株主の利益が優先されるのではないか」と指摘し、完全民営化をやめるように求めました。

 

議事録

○本村(伸)委員 日本共産党の本村伸子です。
 JR九州の完全民営化問題で質問をさせていただきたいと思います。
 まず最初に、そもそものお話をお伺いしたいというふうに思います。
 国鉄の分割・民営化、JR七社が設立されてから二十八年がたちました。JR東日本、JR東海、JR西日本、この三つの会社は、二〇〇二年に東日本が完全民営化し、二〇〇三年に西日本、そして二〇〇六年に東海が完全民営化されております。完全民営化後、国民にとってどのようなメリットがあったか、まずお示しいただきたいと思います。

○藤田政府参考人 JR本州三社はいずれも、完全民営化後、利用者サービスの向上、関連事業の展開、経営の効率化等を進めてきておるものと認識しております。
 これに伴いまして、非常に多面的なメリットが国民にもたらされていると思いますけれども、このうち利用者サービスについて申し上げれば、例えばJR東日本の東北新幹線、完全民営化後に新規車両の投入によるスピードアップが行われまして、東京―盛岡間、最短到達時分が十一分短縮されております。同様に、JR東海の東海道新幹線も東京―新大阪間で八分短縮をされております。
 それから、在来線につきましても、例えば列車運行本数で申しますと、完全民営化後、各社一日当たりの列車運行本数の増加が図られております。
 このほか、ICカードの利用区域の拡大、駅の段差解消によるバリアフリー化、それから他の鉄道事業者や自社の他路線との相互直通運転、これらの対策も着実に進んでおりまして、JR本州三社の完全民営化後、利用者サービスの向上が大きく進んでいるものと認識しております。

○本村(伸)委員 サービスがよくなったということですけれども、それは完全民営化をしなくても本当はできる話だというふうに私は思います。
 私はJR東海の地域に住んでおりますけれども、少し前ですけれども、JR東海の利用者の皆さんにアンケートをとって、それを要望書にまとめてJR東海の本社に持っていきました。しかし、その要望書さえ受け取ってもらえないという現状がございました。
 また、JR東海の武豊線では駅の無人化も進んでしまい、定期券、特急券などを買うことができない、夜は女性の皆さんは大変恐ろしいという状況にもございます。そして、トイレのない駅もある。
 また、以前、JR東海の関西線に乗りまして、三重県の亀山駅まで行ったわけですけれども、そこではワンマン運転で、途中の駅には無人の駅があって、ICカードが使えないというところがあり、愛知県の一宮市から乗った皆さんが無人駅でおりるということがありまして、何人もおられまして、運転手の方がそのICカードの処理をする、料金の処理をするというために時間がとられて、どんどんおくれてしまうという現状もございました。
 同じような状況はJR東海の飯田線でもあるわけでございます。
 とりわけ大都市部ではない地域の切り捨てや放置というのが私はひどいというふうに思います。バリアフリーもまだまだおくれておりますし、ホームドアもまだまだおくれているという現状にございます。単純にサービスがよくなったということは言えないということだと思います。
 そもそもですけれども、国鉄の分割・民営化の改革については、経営破綻状態に陥った国鉄が運営していた鉄道事業を再生するということが目的でありまして、経営破綻時には三十七兆円もの巨額の債務があったわけです。その債務を処理するために、民営化して、株式上場して、その株式の売却益などによって国鉄債務を解消するというのが、もともと政府が言っていた出発点だというふうに思います。
 そこで伺いますけれども、本州三社、東日本、東海、西日本が完全民営化をして、その株式の売却益などで国鉄債務は解消することができたのかという点、そして、国鉄債務は現在どうなっているのかという点をお示しいただきたいと思います。

○藤田政府参考人 国鉄の長期債務につきましては、国鉄改革の時点におきまして、二十五・五兆円が当時の国鉄清算事業団に承継され、その上で、JR株式や旧国鉄から承継した土地の処分等により、その処理が行われることとされました。
 その後、平成十年十月に、新しい債務処理スキームによりまして、国鉄清算事業団の債務の多くは国の一般会計が承継することとなりました。それまでの間に、清算事業団において、JR株式の売却により約二兆円、それから、土地の売却により約六・五兆円の収入を得ておりまして、これが国鉄の長期債務の償還に充てられております。
 それから、平成十年十月以降にもJR株式の売却収入がございますけれども、これも約二兆円でございまして、これは鉄道・運輸機構の特例業務勘定の収入となって、旧国鉄職員の年金債務等に充てられております。
 現在、そういう意味では、長期債務は清算事業団から一般会計の方に承継されたということでございます。

○本村(伸)委員 もう一つ確認をしたいと思いますけれども、国の借金というのは今どれだけになっているのかという点と、国鉄の長期債務は国の借金の指標となっている国債の特例公債に含まれると理解をしておりますけれども、間違いないか確認をしたいと思います。

○藤田政府参考人 平成二十六年度末時点におきまして、国の債務残高は一千五十三兆円と承知しております。
 国鉄長期債務残高につきましては、平成二十五年度末現在で十八・一兆円でございますけれども、これは国の債務残高の中に含まれております。

○本村(伸)委員 つまり、今お答えいただきましたように、国鉄長期債務も、国民の負担となる国の債務となっているということでございます。
 結局、その当時、二十四兆円が国民の皆さんの借金として負担を押しつけられたということだと思います。それが今十八兆円に減ってきているとはいえ、毎年毎年、二〇一三年度の末でいいますと、二千九百七十億六千七百万円、一年間で国民の皆さんが負担をしているということになります。毎年毎年、四千億とか三千億とか、そういうレベルで返していっているわけですから、国民の皆さんに結局負担が押しつけられているということだというふうに思います。
 安倍首相は、施政方針演説の中でも、基礎的な財政収支黒字化を目指す、あるいは、ふえ続ける国の債務を抑制するという決意を表明されました。先ほどもお話がありましたように、国の借金というのは一千五十三兆円にも膨れ上がっているわけでございます。この財政の健全化というのは、本当に緊急の課題だ、私たちがしっかりと考えていかなければならない問題だというふうに思います。
 この借金を一体どうやって減らしていくのかということについて、ちゃんと知恵を絞っていかなければいけない。借金をつくった原因と責任を明確にして対策を講じるというのが本来の筋だというふうに思います。
 国鉄の債務というのは経営体制が問題だったわけではなく、この債務の大半は、歴代政権の列島改造政策などによって、借金で巨額の投資を行ったということがそもそもの原因であり、国鉄時代のそういった建設などで発生した債務でございます。
 それであるならば、鉄道事業の収益による返済を前提にするべきだと思いますけれども、大臣、いかがでしょうか。

○太田国務大臣 余りにも大きなお話を聞きましたが、国鉄の債務ということに限ってお話をさせていただきます。
 列島改造論とかいいましたが、国鉄は、昭和三十九年度に赤字に転落して以来、毎年度巨額の赤字が発生したことに伴って、経営が悪化して、破綻に至ったものです。
 破綻の原因は、国鉄再建監理委員会意見の中でも、公社制度のもとで全国一元的運営が行われてきたという構造的な問題が指摘をされておりまして、きょうの委員会の審議でも親方日の丸という言葉が再三出てきましたけれども、そうしたことが指摘をされています。
 国鉄長期債務は、このような背景により生じたものと認識をしています。
 国鉄長期債務三十七・一兆円の処理につきましては、JR本州三社及び貨物会社は、それぞれの事業の健全かつ円滑な運営を阻害しない範囲において債務を負担させるという観点から、五・九兆円を負担することとされました。残余の長期債務につきましては、国鉄清算事業団等が負担することとされました。
 国鉄改革は、国鉄の経営形態を改めまして、健全な事業体としての経営基盤を確立した上で、国鉄の事業を再生させるために行われたものであります。
 このようにして発足しましたJR各社は、株式会社として独立した経営を行って、本州三社は、平成十八年度までに全て完全民営化をしているという状況にございます。このため、JR各社に対しまして、新たな負担を課すことは適当ではない、このように考えているところであります。

○本村(伸)委員 完全民営化したことで、事業収益を上げて、その収益で国鉄債務を返済するという道を閉ざしてしまったんだというふうに思います。
 完全民営化をされたJR本州三社、東日本、東海、西日本は、収益の上がる新幹線などの払い下げで大もうけを上げております。経営の足かせとなる長期債務は国が引き受け、国民の皆さんが負担をして、そして一方で、JR東海やJR東日本、西日本の三社は、収益の上がるところだけをいいとこ取りしたという格好だというふうに思います。
 大もうけを上げているJR三社は、債務を引き受けている国民の皆さんのためにも、収益を国民の皆さん、住民の皆さん、利用者の皆さんに還元をするというのは第一義的に行うことだと思いますけれども、大臣の見解を伺いたいというふうに思います。

○藤田政府参考人 まず、先ほどの大臣の答弁にもございましたけれども、JR本州三社は、それぞれの事業の円滑な運営を阻害しない範囲でということで、国鉄長期債務五・八兆円を負担しております。
 その上ででありますけれども、本州三社は、会社発足後におきましても、列車のスピードアップでありますとか、運行本数の増加、ICカードの利用区域の拡大、バリアフリー化、相互直通運転といった利用者サービスの向上を進めてきているものと認識をしております。
 国としましても、国鉄改革の経緯を踏まえまして、指針において、鉄道路線の適切な維持、駅整備に当たっての利用者利便の確保等を求めております。
 今後とも、本州三社には、こういった形で利用者利便の向上に努めていただきたいと思っております。

○本村(伸)委員 JRの負担というのは少しで、国民の皆さんには二十四兆円という巨額の負担が押しつけられているわけです。
 そもそも、分割・民営化したときに債務の負担のルールというものがあったわけですけれども、JR東日本、東海、西日本に適正利益の割合をどのように考えていたか、どのぐらい保障すると考えていたかということをお示しいただきたいと思います。

○藤田政府参考人 国鉄改革時に、JRは、最大限の効率的経営を行うことを前提に、当面収支が均衡し、かつ、将来にわたって事業等を健全かつ円滑に運営できる限度の長期債務等を負担するということとされました。
 具体的には、当時の予測をもとにしまして、JR各社が効率的な経営を行うこととした場合に収入の一%程度の経常利益を上げることができることとしまして、その前提で負担できる利子負担の額を算定し、その利子額に応じて債務等を負担させたものでございます。

○本村(伸)委員 もう一つお伺いしますけれども、実際の利益率はどうなっておりますでしょうか、JR三社について。

○藤田政府参考人 JR本州三社の平成二十六年度決算書によりますと、売上高経常利益率で申しますと、東日本旅客鉄道一三%、東海旅客鉄道二六%、西日本旅客鉄道九%となっております。

○本村(伸)委員 当時想定していた適正利益を上回る巨額の大もうけを上げているということが、このことからもわかるというふうに思います。本来はもっと借金を背負ってもらわなければいけなかったのだというふうに思いますけれども、債務負担を当時軽く見積もったということだというふうに思います。
 やはりこの状態はおかしいんだというふうに思うわけですけれども、今、JR東日本は、国民の皆さんや住民の皆さん、利用者の皆さんに収益を還元する、貢献するというどころか、さまざま切り捨てている部分があるというふうに思います。
 JR東日本でいえば、東日本大震災で被災をされたJR山田線や大船渡線、こういう不通になっている路線を復旧もせずに、経営を放棄いたしました。また、JR東日本の只見線も不通の地域を放置しております。
 これまでも、整備新幹線が通れば在来線の経営がもうからないからといって撤退をしてきたわけでございます。
 JR東海も巨額の利益を上げているわけですけれども、この委員会でも何度も指摘をしてきましたリニア中央新幹線。JR東海は、巨額のもうけを上げて、そして九兆円もかけて、リニア建設にその大もうけした利益をつぎ込もうとしております。九兆円も巨額の利益を投資する余裕があるのであれば、国民の皆さんの負担になっている、あと十八兆円残っている国鉄債務の返済に協力するべきだというふうに思います。
 結局、二十四兆円も国民の皆さんに肩がわりをさせて、いいとこ取りをしているというのがJR東、東海、西ということになるというふうに思います。国鉄長期債務の返済は、やはり大もうけしているJR三社にも応分の負担をさせるべきだというふうに思いますし、国民の皆さん、利用者の皆さんに収益を還元するような指導をするべきだと思いますけれども、大臣、いかがでしょうか。

○藤田政府参考人 先ほどの大臣の答弁にございましたけれども、JR各社は株式会社として独立した経営を行っております。特に本州三社につきましては、既に完全民営化した会社でございます。これまでの経営の結果、今のような利益水準に至っているということでございます。こうしたJR各社に対しまして新たな負担を課すということは適当でないと考えております。
 JR各社の収益につきましては、サービスの向上といったような形で利用者にきちんと還元をしてもらいたいと思っております。
 それから、一点、先ほどの御指摘の中で、山田線につきましては、JR東日本と地元との協議の結果として、第三セクターである三陸鉄道に移管されたものと理解をしております。それから、大船渡線につきましても、今現在、仮復旧という形でBRTが運行されておりまして、その扱いについては今まだ地元と協議中というふうに理解をしております。

○本村(伸)委員 分割・民営化というのは、結局、利益は会社や株主に行って、国民の皆さんや利用者の皆さんは犠牲になっていくということだというふうに思います。富が一部のところに集中をしていくということだというふうに思います。
 今回の法案の中身についても次にお伺いをしたいというふうに思いますけれども、今回、法案の中で、経営安定基金三千八百七十七億円、そもそも国民の皆さんの財産だと言えるというふうに思いますけれども、国土交通省も、国鉄に由来する国民共有の貴重な財産、準国有資産、公的な財産、こういう言い方をしておりましたこの経営安定基金をJR九州に渡してしまう。これは結局のところ株を上場するため、完全民営化するためだということになるわけですけれども、こういう道理のないことを行おうとしていると私は思っております。
 そもそも、上場や完全民営化は、JR九州の利用者の皆さん、住民の皆さんにとって本当にメリットがあるのかどうかということも私は疑問だというふうに思います。
 きょう来ていただいておりますJR九州の青柳社長が、昨年のメディアの取材でこういう発言をされておられます。「私の使命は株式上場、つまりJR九州を完全な民間会社にすることです。」「上場には、鉄道事業の「収支とんとん」を目指し、立て直さなければなりません。」と述べています。その中で、「まずコスト削減を進めます。」と言っておられます。
 確認しますけれども、株式上場に向け、真っ先にコスト削減を挙げておられますけれども、鉄道事業者、経営者として真っ先に考えなければならないのは、公共交通としての役割をどう果たすのかということ、そして人の命を運ぶ大量輸送機関としての安全の確保が大前提になるというふうに思いますけれども、今御紹介しました記事の中には、安全の確保という言葉すらないわけでございます。
 上場に向けて、安全よりもコスト削減を優先するという認識なのかどうか、まず確認をしたいと思います。

○青柳参考人 私の言葉がメディアの中でそういうふうに紹介されていたということであれば、もう一度ここで私の考えを申し上げます。
 当社は、発足以来、安全とサービスを全ての事業の基盤として、安全を最優先に経営をやってまいりました。安全に関する社員のヒヤリ・ハットの収集や社員の提案に沿った必要な改善を進めるとともに、安全創造館を活用した社員全員の安全研修の実施など、安全確保のための具体的な施策を計画的に実行しております。
 一方、当社はこれまで、人口減少や少子高齢化が進む中で、長期的に鉄道ネットワークの維持を図るため、ワンマン運転の実施など、経営の効率化を行いました。しかし、これは、安全を確保しつつ、サービスや利便性が低下しないように努めて、実行をしてまいりました。
 今後とも、上場の有無にかかわらず、安全を最優先にした経営に努めてまいります。

○本村(伸)委員 安全を前提にするというお話でございました。
 もう一つお伺いしたいので、きょう、資料をお配りいたしました。
 資料の一番目、1と書いている資料は、JR九州の平成二十七年度事業計画でございます。ここを見ますと、一番最初に「事業運営の基本方針」、その次に「経営基盤の整備」、1として「輸送需要の創出及び確保」、2「営業活動の充実強化」ということが書かれております。その次のページ、三番目には「業務運営の効率化」、四番目に「コスト削減の推進」、五番目に「グループ会社の総合力強化」、六番目に「経営安定基金の運用」。そして、(2)として、やっと「輸送の安全の確保」、1「安全・安定輸送の確保」ということが出てまいります。
 この計画を見まして、私は何かに似ているなというふうに思いました。
 資料の、めくっていただきますと2というものが出てまいりますけれども、2をごらんいただきたいと思います。これは、JR西日本の二〇〇五年度の社長の方針です。最初に「稼ぐ」ということがあり、二番目に「目指す」安全安定輸送というのが出てくるわけでございます。こういう方針のもとで、安全投資を出し渋り、自動列車停止装置も設置せず、JRの西日本ですけれども、結局、福知山線の大惨事につながったわけでございます。
 当時、日本共産党の穀田恵二衆議院議員が指摘をしておりましたけれども、結局、JR西日本は、こうした方針を改めて、今では安全が第一ということで書かれているわけです。先ほどもJR北海道の社長さんも言われましたけれども、安全が第一で、ほかのJR各社は書かれているわけでございます。JR九州というのは、自動列車停止装置の設置割合もおくれているというふうに思います。
 メディアの取材に対して、青柳社長はこういうこともおっしゃっているわけです。「効率化を、地元の理解を得ながら、さらに進めます。担当者は「乾いた雑巾を絞るようなものですよ…」とこぼしますが、線路のメンテナンスの効率化など、できることはまだまだあるはずです。」ということをおっしゃったり、あるいは、「鉄道事業の赤字削減に努めますが、上場後はさらなる効率化が必要です。路線存廃に踏み込んだ議論も必要となるでしょう。」「どの路線を廃止の対象にするかを検討していきます。」ということも書かれているわけでございます。
 先ほどの答弁とちょっと違うというふうに思いますけれども、かなりこうした効率化を強調されて言われているわけです。
 事故前のJR西日本がそうであったように、株価を上げることが一番の目的になっているのではないか、利用者の皆さんの利益や住民の皆さんの利益と株主の利益をてんびんにかけたときに、社長のこの発言は、株主の利益が優先されているということになっているのではないかと思いますけれども、いかがでしょうか。

○青柳参考人 お答えいたします。
 安全に関しては、先ほども申し上げたとおりでございます。社員一人一人が安全の意識を高め、そして、いろいろなことに気づき、考え、行動するというのを我が社の社員全員で現在行っておりますので、先ほどのような心配につきましては、今後ともそういうことのないように頑張っていく所存であります。
 また、今後の九州の鉄道ネットワークの維持に関しても、鉄道事業を中核とする当社にとって重要な役割であると我々認識しております。上場によってその役割が変わるものではないと思っております。
 一つに、もちろん、維持のためには、効率化もこれまで三十年やってまいりました。これからも三十年続けるという意味で先ほどのようなことを申し上げましたが、それを少し曲解されて記事になっていると私は考えております。今後とも、そういった意味では企業活動として実施をしていく所存であります。
 また、一方で、この維持のためには、営業収益を上げるという努力も、先ほどから申し上げているとおり、これまで以上にやっていく所存でございます。
 そういった意味で、当社の発展は地域の発展があってこそあるものだという意味で、地域の皆さんと一緒になって、今後とも九州の鉄道のネットワークの維持に貢献していく所存でございます。

○本村(伸)委員 利用者の不利益になるようなことはやめるべきだということを申し上げ、質問を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。



反対討論

○今村委員長 これより討論に入ります。
 討論の申し出がありますので、これを許します。本村伸子君。

○本村(伸)委員 日本共産党を代表して、旅客鉄道株式会社及び日本貨物鉄道株式会社に関する法律の一部を改正する法律案に対し、反対の討論を行います。
 本法案は、JR九州を完全民営化するためのものです。JR九州は、鉄道事業が赤字のまま無理やり株式上場するため、コスト削減など、利益獲得へ合理化、効率化へ邁進しています。
 法案に反対する第一の理由は、完全民営化により、営利中心主義の経営姿勢がさらに強まり、駅無人化や外注化、赤字路線の廃止、不採算部門の切り離しなど合理化に拍車がかかり、利用者、労働者、国民の皆さんの生命と安全、利便性が一層脅かされることになるからです。
 JR九州は、一九八七年の分割・民営化後、本業の鉄道事業は毎年赤字を続けています。駅ビル不動産事業や医療品販売、農業、教育などを強化し、鉄道事業は、もうかるところのみを強化する巨大サービス企業となっています。
 二〇一六年度中の株式上場に向け、安全を二の次にした事業計画を立て、不採算部門の切り捨て、外注化、非正規職員化、大規模駅を含む駅の無人化、車内販売の終了など、合理化を推し進めています。
 九州新幹線の並行在来線肥薩おれんじ鉄道の切り離し、高千穂線の移管、廃止など、ローカル線切り捨ても行ってきました。
 このような状況下で完全民営化することで、公共交通機関が担うべき安全性と公共性は一層軽視されることは目に見えています。
 法案に反対する第二の理由は、株式上場を目的に、経営安定基金を取り崩そうとしているからです。
 経営安定基金は、その運用益で経営の厳しいJR九州などの赤字を補填するために設置され、その取り崩しは現在禁止されています。鉄道事業は赤字が続き、基金の運用益による経営支援はこれからも必要です。
 にもかかわらず、無理やり株式上場をするためとして、そもそも国民の皆さんの共有の財産である基金を取り崩すことには賛成できません。
 以上、反対の討論を終わります。

○今村委員長 これにて討論は終局いたしました。
    ―――――――――――――

○今村委員長 これより採決に入ります。
 内閣提出、旅客鉄道株式会社及び日本貨物鉄道株式会社に関する法律の一部を改正する法律案について採決いたします。
 本案に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕

○今村委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。

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参考資料

https://motomura-nobuko.jp/wp-content/uploads/2017/06/80fa1889b23f9cb05553d93362077dd0.pdf

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