もとむら伸子(日本共産党衆議院議員)-
国会質問

質問日:2016年 4月 19日 第190国会 国土交通委員会

熊本地震(支援物資流通対策、九州新幹線脱線)

しんぶん赤旗 2016年4月22日(金)

物資不足 物流対策強化急げ 本村氏、新幹線の安全ただす

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(写真)質問する本村議員=19日、衆院国交委

 日本共産党の本村伸子議員は19日の衆院国土交通委員会で、熊本地震の被災地の避難所への支援物資を被災者に届ける対策や九州新幹線の脱線問題について質問しました。

 本村氏は、益城町の避難所では1食分がパンかおにぎりだけで1日2食という状況を示し、物流事業者への財政的支援も含め早急に支援物資が被災者に届く対策を求めました。

 石井啓一国交相は「物流事業者も一体となって参画させ、トラック・鉄道・内航海運を利用し、支援物資を輸送する」と答弁しました。

 本村氏は、地震自動停止システムが作動しながら地震により脱線した九州新幹線について、同システムが直下型地震では機能しない問題を指摘し、「脱線が起きた場所に脱線防止ガードはなぜ設置されていなかったのか」と質問。国交省の藤田耕三鉄道局長は「今回脱線した所は設置計画に含まれていなかった。強い揺れが想定される地域を優先的に進め、2017年度までに55キロメートルで設置予定だ」と答弁しました。

 本村氏はまた、地震対策について「今回の場所で想定していなかった」とのJR九州の新幹線局長の発言を示し、大地震が頻発する日本では“想定外”という甘い認識を改め、大災害に備えた緊急対策を実施すべきだと主張。リニアを含め新幹線が活断層を通る地域の総点検・改修の必要性を強調しました。

議事録

本村(伸)委員 日本共産党の本村伸子です。

 午前中に続いて、熊本、大分を初めとした九州地方の地震の関連で質問をさせていただきます。

 改めてこの場でも、亡くなられたお一人お一人に哀悼の意を表したいというふうに思います。そして、被害に遭われた全ての皆様に心からのお見舞いを申し上げたいと思います。

 この熊本での地震の影響で、回送中の九州新幹線の列車が熊本市内で脱線をいたしました。回送の列車は、十四日の午後九時二十五分、JR熊本駅を発車して時速八十キロで走行をしていた。約一分後に激しい揺れを感知して、非常ブレーキがかかったそうですけれども、六両編成の車輪が脱線をいたしました。全て脱線をいたしました。

 九州新幹線では、地震に備えて複数の安全対策を行っていたといいますけれども、なぜ脱線を防ぐことができなかったのかということを確認したいと思います。脱線事故、そして九州新幹線の地震の被害の状況についてお示しをいただきたいと思います。

藤田政府参考人 九州新幹線の被害の状況でございますけれども、新大牟田―新水俣間百十二キロにおいて点検作業を実施しておりまして、それによって確認をされているところでございます。

 昨日まで実施された高架橋構造物等の目視点検の結果では、新玉名駅―新八代駅間で高架橋の柱の亀裂や防音壁の落下等、それから熊本駅で可動式ホーム柵やエスカレーターの損傷等、新八代駅でプラットホームの桁を支える柱の損傷等などが確認されております。

 それから、今御指摘の脱線の関係でございますけれども、熊本駅と熊本総合車両所間を走行していた回送列車が脱線いたしました。この脱線に伴う軌道の損傷等も確認されています。

 さらに、電気設備や信号通信設備等の被害状況につきまして、一昨日から点検作業が行われているところでございます。

本村(伸)委員 JR九州によりますと、運転士の方は揺れを感じて非常ブレーキをかけて、地震の揺れを検知して列車を自動で停止させるシステムも作動していた、先頭車両は、にもかかわらず進行方向左に大きくずれて、車両が左側のレールにまたがった状態でとまったということでございます。

 そこで、確認をしたいんですけれども、新幹線が本線上を走行中に脱線事故を起こしたことはこれまであったでしょうか。

藤田政府参考人 新幹線が本線を走行中に脱線した事例、これまで二件ございます。いずれも地震によるものでございます。

 具体的には、平成十六年十月二十三日の新潟県中越地震によりまして、上越新幹線の浦佐駅―長岡駅間を走行中の列車が脱線した事例がございます。もう一つは、平成二十三年三月十一日の東北地方太平洋沖地震により、東北新幹線の仙台駅構内を走行中の列車が脱線したという事例がございます。

本村(伸)委員 地震の揺れを検知して自動停止させるシステムは、JR東海が東海道新幹線で採用しているのと同じように、緊急地震速報を受信するか、あるいは沿線に設置をされた地震計が四十ガル以上の揺れを検知すると、新幹線への送電を自動的にとめて、列車を緊急に停止させる仕組みがあるということだというふうに思います。

 今回の地震では、脱線の現場近くの地震計で二百五十ガルという非常に大きな揺れが観測をされ、システム自体は正常に作動をしておりました。結果は、このシステムだけで脱線を防ぐことができなかったということだと思います。

 直下型の地震の場合、地震発生を検知し、列車停止を指令する時間よりも、地震の到達時間の方が早いというふうに言われております。早期地震警報システム、地震自動停止システムがあるからといって、地震発生時に安全に停止させる技術はまだ完成していないということだと思いますけれども、大臣の認識を伺いたいと思います。

石井国務大臣 早期地震検知システムは、地震計が初期の小さな地震波を検知することによりまして、大きな地震波の到達が推定された場合等に、列車への送電を自動的に停止し、列車の非常ブレーキを動作させ、減速、停止させるシステムであります。

 大きな地震の際に、高速で走行している新幹線をできるだけ減速させることは、安全性を高める上で非常に有効なことだと考えております。このため、各新幹線には早期地震検知システムを設けております。

 ただ、その仕組み上、新幹線の走行速度や震源との距離によっては、大きな揺れの到達までに十分な減速に至らないケースもあります。

 したがって、新幹線の地震対策としては、早期地震検知システムだけではなく、構造物の耐震化や脱線・逸脱防止対策を組み合わせることが必要であり、国土交通省といたしましては、こうした総合的な対策を推進しているところであります。

本村(伸)委員 JR九州では、中越地震以降、脱線防止ガードを設置するなどの対策をとってきたというふうに思いますけれども、事故が起きた場所は設置されていなかったということでございます。

 九州新幹線では、二本のレールの内側に高さ二センチの壁を設けて車輪が乗り越えるのを防ぐ脱線防止ガードが導入されているそうですけれども、今回、脱線が起きた場所にガードそのものが設けられていなかった。なぜ脱線防止ガードをつけていなかったのかという点をお伺いしたいと思います。

藤田政府参考人 JR九州におきましては、大規模地震の際に列車の脱線、逸脱を防止するために、脱線防止ガードの設置を進めております。

 具体的には、新幹線と交差する活断層のうち、強い揺れが想定される活断層箇所に対する設置を優先的に進めているところでございまして、平成二十九年度までに約五十五キロメートルで設置される計画となっております。

 今回脱線した箇所については、この設置計画に含まれておりませんでした。

本村(伸)委員 それはなぜつけていなかったかということをお伺いしたんですけれども。

藤田政府参考人 JR九州におきましては、ただいま御答弁申し上げたとおり、新幹線と交差する活断層のうち、強い揺れが想定される活断層箇所をまず優先して整備を進めるという方針をとっております。

 今回の箇所は、その中に含まれていなかったということでございます。

本村(伸)委員 ちょっと確認をしたいんですけれども、自動停止システムも脱線防止ガードも東海道新幹線と同じタイプだというふうに思いますけれども、確認をしたいと思います。

藤田政府参考人 早期地震検知システムは、基本的には各新幹線とも同じシステムでございます。

 それから、JR九州で設置している脱線防止ガードにつきましては、レールの横に設置した金具によりまして車輪をレールと挟み込むことによって脱線を防止するものでございます。九州新幹線と東海道新幹線では新幹線の軌道構造が異なりますので一部変更しておりますけれども、基本的には同じ構造でございます。

本村(伸)委員 報道では、JR九州の新幹線部長が、地震対策は優先順位をつけて行ってきたが、今回の場所でのここまでの大きな地震は想定していなかったというふうに述べているということでございます。

 想定していなかった、想定外ということだというふうに思いますけれども、大地震が頻発する日本で想定外であったということでは、やはり安全運行を守るという公共交通機関としての認識としては甘いものがあったのではないかというふうに言わざるを得ないと思います。

 こういう甘い認識を改めて、大地震、災害に備えた対策を緊急に実施させるべきだというふうに思いますけれども、大臣の認識を伺いたいと思います。

石井国務大臣 脱線防止ガードの設置は、脱線や逸脱を防止し、安全性を高める上で効果的な対策であります。

 JR九州では、九州新幹線において、必要性の高い箇所から段階的に脱線防止ガードの整備を推進しているというふうに聞いております。

 必要性を踏まえて段階的に整備するという考え方自体は間違っていないと思いますけれども、国土交通省といたしましては、今般の脱線事故を踏まえまして、その詳細な状況の確認を行った上で、九州新幹線を含む新幹線の脱線・逸脱防止対策の進め方について検証を行ってまいりたいと考えております。

本村(伸)委員 今回は回送の新幹線でしたけれども、もし人が乗っていたら本当に大惨事になるということでございますので、ぜひ対策を強化していただきたいと思います。

 あわせて、国交省が調査をして指摘をしております九州新幹線の地震の被害の写真を見ましたけれども、損傷は百三十カ所を超えるというふうに報道をされております。

 九州新幹線は、二〇〇四年三月十三日に新八代―鹿児島中央ということで開通をし、二〇一一年三月十二日に全て開通をしておりますけれども、脱線をした箇所というのは二〇一一年三月に開通したばかりのところで、まだ五年しかたっていない場所でございます。

 今回の事故は、いかに活断層が危険かというのを如実に示しているものだというふうに思います。東海道新幹線を初め、活断層を横断している全国の新幹線ルートの耐震、安全は大丈夫なのかということが心配の声として上がっております。再調査、念入りな点検等、対策が必要だというふうに思います。

 幾つも活断層を横断する、日本有数の活断層を横断するリニア中央新幹線も同様だというふうに思います。国交大臣として、リニア中央新幹線を含めて、新幹線で、活断層の評価、その活断層はどのくらいで動くと判断しているのか、こういう資料提出も含めて、活断層を通る地域を総点検し、改修など対策をとるべきだというふうに思いますけれども、大臣の認識を伺いたいと思います。

石井国務大臣 新幹線の耐震対策につきましては、一九九五年、平成七年の阪神・淡路大震災を受けまして、構造物に大きな損傷が生じないよう、一九九八年、平成十年に耐震基準を見直しました。すなわち、大規模地震、震度六強から七程度の際にも、早期に機能を回復させるため、構造物に大きな損傷を生じさせないというものでございます。その後整備された新幹線につきましては、この基準に基づき整備をされております。

 九州新幹線につきましても、この基準に基づいて整備されたため、今回の熊本地震におきましても、高架橋には倒壊につながるような大きな損傷は確認をされておりません。大地震ですから、全く損傷が生じないということはなかなか難しいのですが、大きな損傷は生じていないわけでございます。

 一方、阪神・淡路大震災以前に整備された新幹線につきましては、高架橋の柱に鉄板を巻きつける等の対策が行われておりまして、ほぼ完了しているところでございます。

 国土交通省といたしましては、引き続き、新幹線の地震対策が適切に行われるようJR各社を指導監督してまいります。

本村(伸)委員 ぜひ、今回の事故を受けて、もう一度総点検、改修をしていただきたいというふうに思います。

 そして、引き続き、被災者の皆さんの救援、生活再建、被災地の復旧復興に全力を挙げていただくということを強く求めて、質問を終わらせていただきます。

 ありがとうございました。

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