もとむら伸子(日本共産党衆議院議員)-
レポート

厚生労働大臣あての「職場におけるハラスメントをなくすための実効ある法整備を求める申し入れ」を行いました!

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 12月17日、厚生労働大臣あての「職場におけるハラスメントをなくすための実効ある法整備を求める申し入れ」を日本共産党国会議員団ハラスメント対策チームで行いました!

 申し入れには、高橋千鶴子衆議院議員、畑野君枝衆議院議員、藤野保史衆議院議員、吉良よし子参議院議員、倉林明子参議院議員、私もとむら伸子が参加しました。

記者会見には、小池晃書記局長も参加しました。

 申し入れ全文は下記に記しますので、ぜひお読みいただきたいと思いますが、中心点は2点です。

1、2019年に採択されるハラスメント規制のILO条約に見合う水準の、職場におけるハラスメントを包括的に禁止する法整備を行うこと

2、被害の認定と被害者救済のために、労働行政の体制を確立・強化するとともに、独立した救済機関(行政委員会)を設置する

 申し入れで対応した小林洋司雇用環境・均等局長は、禁止規定を入れてほしいという声があったことを認めながらも「禁止規定については今後の課題」と述べました。

さらにセクハラなどの禁止規定については、申し入れのように独立した救済機関とセットでやる必要があるとの認識を示しました(あくまで、もし禁止規定をつくるならという話・・・)。

 そして、(セクハラなどは)許されない行為、してはならない行為であるということを何らか表現できないか法制局と詰めているとも述べました(責務規定のところに入れるつもりか?)。

また、雇用政策推進法の4条(国の施策)にハラスメントのない環境をつくるということも書き込めないか検討していると述べました。

 小林局長は、ILOの新たにつくられようとしている条約について、諸外国は日本よりも厳しい基準をもっており、日本としてはずかしい態度はとれないことや、ハラスメント防止の事業主の措置義務で条約に批准できるような方向をILOに求めているかのような話もしていました。ILO条約案では禁止規定を求めており、解釈でねじまげることは許されません。

私は、申し入れの際、

 2015年女性活躍推進法がつくられた時の参議院の附帯決議で、「男女雇用機会均等法の改正についても検討を進めること」と決議されたのに、セクハラについての分科会議論は、今年の夏以降で、本来であれば、諸外国の法制度の研究や被害者の声を聞くなどもっとやるべきだったこと、研究会や検討会を開くべきこと、

 セクハラの被害者の方々や被害者の方々と裁判でたたかった弁護士の方々、研究者の方々がもっとも求めていた一つであるセクハラ禁止規定が、労働政策審議会の建議となった雇用環境・均等分科会の報告書には一言も書かれておらず、そうした声があったことも書かれていない(以前の案の段階ではまったく不十分ではありますが、少しは入っていた)ことに非常に落胆したこと、建議以上の対策を是非とも法律に盛り込むことなど申し上げました。

引き続き、皆様とともに「ハラスメントをなくすための実効ある法整備」の実現のために力を尽くしてまいります!!!

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            2018年12月17日
厚生労働大臣 根本 匠 様

    日本共産党国会議員団ハラスメント対策チーム

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職場におけるハラスメントをなくすための実効ある法整備を求める申し入れ

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 労働政策審議会は14日、「女性の職業生活における活躍の推進及び職場のハラスメント防止対策等の在り方について」建議を行った。しかし、その内容は、セクハラ、パワハラ、マタハラなどのハラスメント行為の禁止規定を見送るなど、きわめて不十分なものといわざるをえない。

 ハラスメントは、働く人の尊厳・人格を傷つけ、多くの被害者が、事後の適切な対応はおろか、謝罪さえ受けることなく、心身に不調をきたしたり、休職・退職に追い込まれたりしている。職場でのハラスメントが、一人の人生を狂わせ、一人の働き手を経済社会から失わせるという深刻な結果をもたらしている。

 最大の問題は、ハラスメント行為を規定し、法的に禁止する規制がないことである。そのために、セクハラやパワハラがあったのか、という認定や被害者の救済に大きな困難が生じている。実際、男女雇用機会均等法は、事業主にセクハラの防止措置義務を定めているが、被害が後を絶たず、救済もきわめて不十分である。パワハラについて、法律で「防止措置」を企業に義務付けるとされているが、禁止規定をもたない「セクハラ防止」の現状をみるなら、パワハラの解決には程遠いものである。

 世界では、職場におけるハラスメント規制が大きな流れとなっている。ILO(国際労働機関)は、「労働の世界における暴力とハラスメントの除去に関する」条約(案)を策定し、来年の総会で採択する予定であり、加盟国には、この国際基準に沿った取り組みが求められる。しかし、日本は、職場におけるセクハラを禁止する法規定を持たない世界189カ国(地域)中69カ国の一つ(世界銀行調査)であり、国際的にもハラスメント規制の後進国となっている。

 広範な労働者、女性の願いという点からも、世界の流れという点からも、被害者の救済とハラスメントの防止に、国として本腰を入れた取り組みを今こそ進めるべきである。

 実効ある法整備をすすめるため、以下のとおり申し入れる。

一、2019年に採択されるハラスメント規制のILO条約に見合う水準の、職場におけるハラスメントを包括的に禁止する法整備を行うこと

 職場におけるあらゆるハラスメントを規制する、包括的なハラスメント禁止法の制定に踏み出すべきである。それはハラスメントが許されない行為であることを社会的に周知徹底するうえでも重要である。

(1)ハラスメントの禁止規定を明確にした法整備を行う。
セクハラ、パワハラ、マタハラなどのハラスメントが違法であることを明確にし、事業主に対して、事前防止措置とともに、事後の対応措置、再発防止措置の実施を義務付ける立法が必要である。その際、ILO条約(案)が「ジェンダーに配慮したアプローチは、労働の世界における暴力とハラスメントの根絶に不可欠である」と強調していることも踏まえ、「ジェンダーの視点」を重視すること。 

(2)ハラスメント規制法による保護対象を、狭い従業員の範囲にとどめるのではなく広く定義する。
ハラスメントの行為者(加害者)の範囲は、使用者と労働者にとどまらず、顧客、取引先、患者など第三者からの行為も含め、国際水準並みに広く定義すること。
※ ILO条約(案)は、「労働者」を「従業員、また契約上の地位にかかわらず働く人々、インターンと実習生、雇用が終了した労働者、ボランティア、求職者と就職申し込み者、訓練中の人々を含むべきである」と幅広く定義している。また、「労働の世界における暴力とハラスメントの犠牲者と加害者」には、「使用者と労働者、それぞれの代表、クライアント、顧客、サービス提供者、ユーザー、患者、一般の人々といった第三者でありうる」としている。

二、被害の認定と被害者救済のために、労働行政の体制を確立・強化するとともに、独立した救済機関(行政委員会)を設置する
2017年度に都道府県労働局に寄せられたセクハラの相談は約7千件にのぼるが、このうち、均等法に基づく行政救済に進んだものは「紛争解決の援助申立て」101件、「調停申請」34件に過ぎない。均等法には、勧告に従わない場合の企業名公表が定められているが、セクハラで企業名公表された例は過去に1件もない。「労働局に相談しても埒が明かない」という現状であり、ハラスメントに無力な労働行政で良いのかが問われている。

(1)ハラスメントの防止と被害者救済に労働行政が責任をはたす
加害者と防止措置義務を怠った事業主への企業名公表を含む強力な指導や予防対策への指導を抜本的に強化するとともに、被害者が働き続けられるようにしなければならない。セクハラ、パワハラなどの禁止規定の法定化は、労働行政がハラスメント防止のための強力な指導を行う上でも不可欠である。

(2)独立した救済機関の設置を
ハラスメントを受けた被害者がアクセスしやすく、行われた行為がハラスメントかどうかを迅速に調査・認定し、事後の適切な救済命令(行為の中止、被害者と加害者の接しない措置、被害者の雇用継続や原職復帰、加害者の謝罪と賠償など)を行う、政府から独立した行政委員会を設置することが必要である。行政委員会は、中央と都道府県単位に設置し、ジェンダー差別問題、ハラスメント問題の専門家を委員に選任する。

                    以上

 
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