もとむら伸子(日本共産党衆議院議員)-
レポート

8月1日、2日、衆議院総務委員会委員派遣で、高知県へ!報告①

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8月1日、2日、衆議院総務委員会委員派遣で、高知県へ行きました。

主に南海トラフ巨大地震対策、7月豪雨災害の被害についての現地調査です。

1日は、黒潮町、中土佐町を訪問しました。

大西勝也黒潮町長、三本重幸中土佐副町長はじめ職員の皆様が出迎えてくださり、取り組みを教えてくださいました。

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黒潮町の防災の取り組みに大いに学ぶ
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黒潮町は、2012年内閣府が公表した「南海トラフの巨大地震による震度分布・津波高の推計」で、最大震度7、最大津波高34.4メートル、高知県沿岸部の津波の到達時間2分と日本一厳しい予測が出された町です。
町のなかに避難をあきらめる「避難放棄者」や住むことをあきらめる「震災前過疎」が危惧されるなかで、行政をあげて防災対策に取り組んでいます。大変学ばされました。

◆「個別津波避難カルテ」づくり

私がとても良いと感じたのは、「個別津波避難カルテ」づくりです。
“犠牲者ゼロ”を達成するためには、高齢者や体が不自由な方々、避難が難しい住民一人ひとりに合わせた個別の避難計画を立てていくことが必要です。そうした問題意識から戸別津波避難カルテづくりを実行したそうです。

カルテには、世帯ごとに、
①家族構成
②自力避難の可否
③避難先と所要時間
④避難方法(徒歩・自動車等)
⑤避難経路
⑥住宅の耐震状況
などを記載した記入シートをもとにまとめたもので、2014年1月までに沿岸部の全3790世帯分が完成されたとのこと。

画像に含まれている可能性があるもの:3人、、スマイル、立ってる(複数の人)、屋外、テキスト 私は、どのような議論で、どのようなメンバーでつくったのか質問しました。

 こうした取り組みもあってか、黒潮町の人口は1万1340人(2018年3月末)ですが、防災活動への参加人数は右肩あがりです。2012年4月~2018年2月までで、防災活動は累計1289回行われ、6万3404人が参加されたとのこと。 ワークショップを各地で開き、取り組みをひろげるなかで沿岸部の全世帯を完成させたそうです。
黒潮町は、地域ごとに10数人単位も含めこまめにワークショップなどを開き、住民の皆様の防災意識を高めていました。本当に素晴らしいことだと思います。

朝8時からの防災訓練、夜の防災訓練を行っているそうですが、夜の防災訓練も参加率は下がらないそうです。
小学校では、年10時間以上の防災教育を行い、年6回以上の防災訓練があるそうです。子どもたちの意識の向上は、地域の意識の向上につながっているとのことでした。

何らかの防災の行事に参加されている人が町民の皆様の35%ほどいるそうです。これを50%、100%に引き上げたいと目標をもっておられました。

自力避難が困難な方がどこにいるかわかっても、どのように避難するかについては、難しさがあり、町長さんは、一つ一つの積み重ねしかないとおっしゃっていました。

 抜本的な対策は、事前に高台に住むなどの対策になります。

◆職員地域担当制の導入

黒潮町では、町内61地区のうち、浸水すると想定される40地区の全てで防災対策を進めるため、2012年6月から、全ての町職員(約200名)の皆様を防災担当とし、町内14の消防団管轄区別に配置して、地域住民との協働を推進しているとのことです。

職員の皆様の居住地と担当地域との関係について伺うと、職員の皆様の居住地や親戚がいるなどなるべくゆかりのある地区を担当するように努力されているとのこと。

こうした地区担当制が、カルテづくりにも役立っているようです。
また、地域の情報収集、集約、報告は消防団の役割となっているそうで、そこにそれぞれ町職員の方々もいらっしゃることは重要だと思います。

◆津波避難空間の整備(ハード対策)

 黒潮町では、2016年度までに、避難道250路線、避難場所約150か所、津波避難タワー6基を整備しています。
 整備の仕方も「避難可能距離」を半径308mに設定して(佐賀地区の場合)、逃げることができる場所から半径308mの円を描いて、どこにも逃げられない場所を特定して、その「避難困難区域」に津波避難タワーをつくるという根拠に基づいた設置をしていました。
 私たちが視にいったのは、大方あかつき館(「世界津波の日」高校生サミット開催地)と連動して作られている「浜の宮地区津波避難タワー」(同地区の最大浸水深は約4メートル、避難フロアの地上高は9メートル、100人可能)です。
 各津波タワーには、備蓄倉庫やソーラー充電式の照明が整備され、避難スペースに屋根が設けられています(ヘリによる救助も想定し、屋根のないスペースもあります)。

津波避難タワーの整備費は、緊急防災・減災事業債(充当率100%、交付税措置率70%)の対象となりますが、このうち町負担分(起債額の30%)については、高知県が独自に津波避難対策等加速化臨時交付金(早急に防災対策が進むように期限をつけていると高知県の職員の方から伺いました)により措置しているとのことでした。

 財源の保障がありますので、黒潮町も津波避難タワーをつくることができたと思われます。

◆黒潮町役場新庁舎~高台移転

34メートルの津波が来るということで、浸水地域にあった町役場を移転させ、2018年1月から高台にある新庁舎となっています。

 庁舎の建設費(庁舎建設費及び造成費)は37.8億円で、
財源の内訳は、
・社会資本整備交付金 5.2億円
・緊急防災・減災事業債 19.0億円
・過疎債 1.4億円
・合併特例債 6.8億円
・基金繰入金 4.1億円
・一般財源 1.3億円となっています。

 大西町長さんは、合併特例債は造成などより幅広い事業に使えるので、合併特例債発行可能期限の延長法案の成立はありがたかった、と語られました。

 防災上必要な自治体には、合併していても、合併していなくても同じように財源を保障し、防災対策が行えるようにすることが大事なだと思います。

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防災関連産業で地域おこし
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 黒潮町は、2014年3月、「株式会社黒潮町缶詰製作所」を第三セクター設立し(社長大西町長、資本金3000万円のうち、黒潮町が75%を出資)しました。

 防災の町としての認知度を行かした防災関連産業として、防災備蓄食料にもなる「缶詰」を製造することにしたそうです。

「缶詰」といってもデザインも光ってかなりおしゃれ。
「避難所にもアレルギーの人がいる」との考えから、アレルギーの7大特定品目といわれる原材料を使用しない缶詰を開発しています。それもウリのひとつです。熊本地震のときもそのことが評価され、神奈川の市民団体の発注で、被災地に送られたそうです。

「私たち黒潮町缶詰製作所は『もしもに備える食』と『毎日美味しい』をテーマに自然あふれるこの町に小さな工場を構え、地元の新鮮で安全・安心な素材をひとつひとつ人の手によって丁寧に缶詰にしています。」とホームページには書かれています。

黒潮町缶詰製作所ホームページ

→ https://kuroshiocan.co.jp/

地場のものを缶詰めにして仕事と雇用を増やそうとの取り組みです。

 

最初は赤字でしたが、最近は黒字経営です。

その理由を訪ねると、職員の方は「職員の努力です」と答えていました。

製作所の職員の方は、非正規の方あわせて19名とのことですが、原材料を地元産のものにするという意味では、農家さん、漁師さんなどの収入アップにもつながる取り組みです。

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集落活動センター「であいの里蜷川(にながわ)」
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 高知県では、「集落活動センターを核とした集落維持の仕組みづくり」を推進し、2012年度には、集落活動センター推進事業費補助金制度を創設し、、センターの整備費、人件費・活動費などを補助しています。

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「集落活動センター」は、「高知県版小さな拠点」と言われるもので、廃校になってしまった旧小学校や集会所などを拠点に、それぞれの地域が様々な取り組みをしています。
 高知県では、2019年度までに80カ所、将来的には130カ所を目指すとしています(2017年4月現在 38カ所が開設)。

 私たちが訪問した集落活動センター「であいの里蜷川」は、2002年の高知国体の際に、蜷川小学校の廃校舎を利用して、国体選手の食事などのお世話をされた女性8人が中心になって地域の皆様を巻き込んで運営されています。
 2007年には、宿泊施設「であいの里蜷川」を開業し、2009年には「豊かなむらづくり」農林水産大臣賞も受賞されました。
 2016年4月に「集落活動センター」となり、現在は、宿泊事業、体験交流事業、高齢者の交流の場を増やす目的で始め、お年寄りに大変喜ばれているモーニング、スポーツ合宿などを受け入れ、お弁当づくり(津波サミットの時は、様々な食文化に対応したお弁当を400食つくり、大きな自信になったそうです)などもやっています。サービス(地元野菜を使った朝食の提供、月2回)、特産品の販売会などを行っています。

地域おこし協力隊の女性の方もやりがいをもって、岡山から移住して頑張ってみえました。

集落センターの前のハウスでは、移住して、ご家庭をもたれた若い方が、黒潮町の名産品にしようと努力されている「グリーンレモン」を栽培していました。
集落センターで働く皆様が笑顔で生き生きとされ、すばらしい取り組みです。地域の方と地域おこし協力隊の方と相乗効果で良い循環になっているそうです。

若い人が地域に住み続けることができる方向にいっそう発展することを願ってやみません。

(つづく)

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