もとむら伸子(日本共産党衆議院議員)-
レポート

【15.01.27】衆議院本会議―穀田恵二国会対策委員長が質問 ◆質問準備 ◆代議士会

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 1月27日、衆議院本会議があり、日本共産党を代表して穀田恵二国会対策委員長が「国務大臣の演説に対する質疑」を行いました。
 とりわけ応援に力が入ったのは、以下のくだりです。
 辺野古の新基地建設中止の問題を本会議で取り上げたのは、残念ながら日本共産党だけでした(日本共産党以外に本会議質問を行ったのは、自民党、民主党、維新の党、公明党。議員の数が少ない会派は、そもそも本会議質疑ができないということで、できなかった会派もあります)。沖縄の皆さんと連帯する議席の重みを感じています。

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 「沖縄では、昨年の名護市長選挙での稲嶺市長の再選、県知事選挙での翁長候補の勝利、引きつづく総選挙で、新基地建設反対を掲げた「オール沖縄」の候補が、すべての小選挙区で勝利しました。沖縄県民は新基地建設「ノー」の審判を、疑う余地のない明白な形で示したのです。この審判を一顧だにしない政府の姿勢は、およそ民主主義の国とはいえません。
そもそも沖縄の米軍基地は、国際法にも違反して、無法な土地強奪によって作られたものであり、無条件に県民に返還されるべきものです。総理、辺野古への新基地建設は直ちに断念すべきです。昨日、沖縄県は、前知事が行った辺野古埋め立て承認を検証する第三者委員会の設置を発表し、検証作業中の工事の中止を要求する考えを示しています。あわせて総理の見解を求めます。」

 この質問にたいする安倍晋三首相の答弁は、一連の選挙結果について、「いずれも真摯(しんし)に受け止めたい」といいながら、普天間基地(同県宜野湾市)の辺野古「移設」が「唯一の解決策だ。この考え方に変わりはない」と強調。沖縄県民の皆さんの度重なる審判に加え、新県政から中止要望まで出されているにもかかわらず、ひたすら強行を続け、民主主義を否定する態度に終始しました。
 こんな政権にいつまでも国政のかじ取りを任せておけない、許すまじ(怒)!と強く思いました。

穀田恵二国会対策委員長の質問全文

 日本共産党の穀田恵二議員が日、衆院本会議で行った2014年度補正予算財政演説に対する代表質問は次の通りです。

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「イスラム国」の蛮行を非難――政府は人質解放へ努力を

 質問に先だって、「イスラム国」を名乗る過激組織による蛮行についてです。湯川遥菜(はるな)さんが殺害されたとされる写真がネット上に投稿されています。残虐非道な蛮行に対して強い憤りをもって非難します。後藤健二さんを直ちに解放することを強く要求するものです。政府は、人命最優先で人質解放のため、あらゆる努力を尽くすよう求めます。

国民多数が反対の問題を強行することは許されない

 今国会は、総選挙を受けて初めて論戦を行う国会です。第3次安倍内閣を組閣した総理が、なぜ所信表明演説を行わないのですか。国政にのぞむ基本姿勢を示すことは、国会と国民に対する当然の責任ではありませんか。

 総理は「今回の総選挙で引き続きこの道をまっすぐに進んで行けと国民から力強く背中を押していただいた」と述べています。今回の総選挙で国民から白紙委任を受けたと思っているのですか。

 総選挙での自民・公明政権与党の326という議席は、第1党に4割台の得票で8割近くの議席を与える、小選挙区制がつくりだした「虚構の多数」にほかなりません。比例代表選挙における自民党の得票率は33%にすぎないのです。

 消費税の10%増税をはじめ、集団的自衛権の行使、原発の再稼働、TPP(環太平洋連携協定)推進など、国民の多数が反対している問題を数の力で強行することは断じて許されません。

沖縄県民の審判に基づき、辺野古埋め立て工事中止を

 沖縄では、昨年の名護市長選挙での稲嶺市長の再選、県知事選挙での翁長候補の勝利、引き続く総選挙で、新基地建設反対を掲げた「オール沖縄」の候補が、すべての小選挙区で勝利しました。沖縄県民は新基地建設「ノー」の審判を、疑う余地のない明白な形で示したのです。この審判を一顧だにしない政府の姿勢はおよそ民主主義の国とはいえません。

 沖縄の米軍基地は、国際法にも違反して、無法な土地強奪によってつくられたものであり、無条件に県民に返還されるべきものです。辺野古への新基地建設は直ちに断念すべきです。昨日、沖縄県は、前知事が行った辺野古埋め立て承認を検証する第三者委員会の設置を発表し、政府に対し検証作業中の工事の中止を要求する考えを示しています。総理の見解を求めます。

「経済再生」の名での原発再稼働・輸出は許されない

 原発問題では、選挙が終わるや全国の原発を次々に再稼働する動きを強めています。どの世論調査でも、原発再稼働反対の声は過半数です。未曽有の事故から4年がたつというのに、いまだに東京電力福島第1原発事故の原因は究明されておらず、なお12万人もの方々が避難生活を強いられています。この深刻な事態をそのままにして、「経済再生」の名で原発の再稼働や海外輸出を進めることは、決して許されません。

アベノミクスから「国民のくらし第一」に切り替えよ

 総理は「この道しかない」とアベノミクスを推進しています。大企業を中心に経常利益は過去最高水準となりましたが、国民生活の実態や日本経済についてどのように認識しているのかうかがいます。

 まず、消費税増税の深刻な影響です。

 内閣府が1月13日に発表した「日本経済2014―2015」、いわゆる『ミニ経済白書』は、「消費税率引き上げによる物価の上昇は、実質的な所得の減少をもたらし、将来にわたって個人消費を抑制する効果を持つ」と書いています。

 さらに「実質所得の減少を通じて、2014年4―6月期から7―9月期にかけて個人消費を合計で1兆円弱程度(実質GDPの0・2%程度)を押し下げていると試算される」と指摘しています。

 8%への消費税増税が、ここまで個人消費を冷やしたことをどのように認識していますか。景気への深刻な影響が明らかであっても、17年4月には、消費税を10%に引き上げるのですか。10%増税は中止すべきです。

 第二に労働者の置かれている状態です。

 実質賃金は17カ月連続でマイナスとなり、非正規雇用労働者は、史上初めて2000万人を超えました。『ミニ経済白書』も、非正規雇用労働者の増加が個人消費を落ち込ませ、非正規と正規の格差が拡大していると指摘しています。

 日本共産党は、厳しい経済状況に置かれた国民生活を打開するため、大企業の内部留保の一部を活用し、大幅賃上げで景気回復を図ることを一貫して提案してきました。政治の責任で、中小企業に対して、税・社会保険料の減免などの支援を拡充し、最低賃金の抜本的引き上げを図ることが必要です。この方向こそ、今、求められているのではありませんか。

 「生涯ハケン」を進める労働者派遣法の改悪、「残業代ゼロ」法案など、さらなる雇用破壊はやめるべきです。

 第三に、日本経済の根幹、中小零細企業の問題です。

 どこへ行っても、中小業者のみなさんから「好循環というが大企業だけだ。われわれに恩恵は全くない」という声を聞きます。中小企業団体は「すでにアベノミクス不況だ」とまで言っています。

 製造業を中心に、円安がもたらす原材料とエネルギーコスト上昇の影響をまともに受けています。消費税増税分と物価上昇分を価格に転嫁できずに、中小零細業者は困難に追い込まれています。

 大企業の法人税は、2年間で1兆6000億円も減税しようとしながら、その穴埋めとして、資本金が小さい中小企業や赤字企業にまで外形標準課税を押しつけようとするのは本末転倒です。中小企業の振興なくして、日本経済と地域経済の再生はないのではありませんか。

 第四に、社会保障の問題です。

 政府は、年金給付を物価下落分以上に引き下げることや、後期高齢者医療保険料の軽減措置の廃止、入院給食費値上げ、介護報酬引き下げ、生活保護予算の削減など、手当たり次第に切り下げています。「消費税増税は社会保障のため」といいながら、国民に際限なく負担増を押しつけ、社会のセーフティーネットを破壊するものです。こうした社会保障の大改悪の中止を求めます。

 国民生活と日本経済のどの問題をみても、総理が進めようとしている「道」は、国民が求める方向に逆行するものです。日本経済を「国民のくらし第一」に根本から切り替え、応能負担の原則に立って、富裕層と大企業に応分の負担を求めるなど、「消費税に頼らない別の道」をとることを強く求めます。

被災者の生活・生業再建へ、支援法の抜本的拡充こそ

 さらに、政治の姿勢が問われている災害の問題です。

 総理は、東日本大震災について「復興を加速する」と言っています。東日本大震災から4年、いまなお多くの被災者が避難生活を強いられています。すべての被災者の生活と生業(なりわい)が再建されるまで国が責任を果たすべきです。そのためには、生活再建支援法の抜本的拡充は不可欠です。

 今年は阪神・淡路大震災から20年です。借り上げされた復興住宅からの追い出し、災害援護資金の返済で苦しめられている、こうした現実を総理はご存じなのでしょうか。

 被災者が一日も早く自立した元の生活を取り戻すために、必要な支援を行うことが政治の責任であり、大震災の被災者に、あらたな苦難を押し付けることは政治のやるべきことではありません。

戦後70年――憲法の平和主義を守り、真の友好を

 最後に、今年は、戦後70年の節目の年であります。あの戦争で310万人の日本国民、2000万人を超えるアジア諸国民が犠牲になりました。侵略戦争と植民地支配の反省の上に、「政府の行為によつて再び戦争の惨禍が起ることのないやうにすることを決意」し、日本国憲法を確定したのであります。これが戦後政治の出発点、原点です。

 この憲法の平和主義を守り抜くことこそ、日本が、アジアと世界で信頼され、真の友好を実現する道であることを強調し、質問を終わります。

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