もとむら伸子(日本共産党衆議院議員)-
くらし守る

【11・01・04】安心できる社会保障制度へ 大企業の適正な負担を財源に

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 社会保障をよくしていく展望―1月4日掲載されたしんぶん赤旗の記事を紹介いたします。
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「 安心できる社会保障制度にしてほしい」―政権交代に込めた国民の願いはいま、民主党政権によって無残に裏切られています。どうしたら医療や介護などの社会保障を充実できるのか、2011年の重要な課題です。
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世界に比べ異常な負担

 日本の医療費負担は世界でも異常です。東京保険医協会の調査では、乳がんの手術後の通院の例で高額療養費が適用されてもなお月8万5000円かかります。糖尿病では月2回の通院・投薬で2万3000円。慢性疾患なので、ずっと払い続けなければなりません。
 民主党は、高額療養費の負担を引き下げるとしていましたが、結局、見送りました。
 民主党政権は、後期高齢者医療制度の廃止を先送りしたあげく、「新制度」案として、現行制度と骨格の同じ案をまとめました。
 75歳以上の高齢者のほとんどが現役世代とは別勘定になり、高齢者の医療給付費の1割を高齢者自身が負担します。高齢化で増える医療費の負担を機械的に高齢者に押しつけて痛みを与え、受診を控えさせる点で現行制度と変わりません。
 さらに「新制度」案をてこに、市町村が運営してきた国民健康保険(国保)を都道府県単位にし、保険料軽減のために市町村がおこなってきた国保財政への公費投入を不可能にする仕組みに変えようとしています。
 「新制度」案には各層から反対の声が上がり、法案提出前に行き詰まっています。

医療を介護へ

 医療費削減のため、医療が必要な人を医療保険から介護保険に回していくというのが自公政権時代からの政府の方針です。
 民主党政権が通常国会に出そうとしている介護保険法改定案は、その流れに沿って、重度の人に介護を重点化し軽度者を介護保険から外す方向や、介護職員によるたんの吸引など「医療的ケア」の容認拡大が盛り込まれる見込みです。
 日本共産党は、後期医療制度はただちに廃止して、導入前の老人保健制度に戻したうえで、高すぎる負担を引き下げることを中心とする改革をするよう主張しています。

“国の責任”憲法の要請

 この間、医療を壊してきた最大の原因は、国が医療に対する財政負担を削減してきたことです。それを元に戻すことが必要です。
 憲法25条は生存権を明記しています。社会保障を国の責任で支えることが憲法の求めです。
 財政が最も深刻な国保の場合、国保会計に対する国庫負担は1984年の約50%から2007年には25%まで減りました。84年の水準に戻すのに単年度で1兆2000億円が必要ですが、これを計画的に引き上げれば、高すぎる国保料(税)の引き下げとともに高齢者の医療も安定して支えることができます。

穴をふさげば

 日本の税収をバブル崩壊後の1995年と比べると、消費税は3%から5%に上がりましたが、所得税や法人税などの減収で単年度で21兆円も減っています。行きすぎた大企業・大資産家減税が税収に穴をあけたためです。その穴をふさげば、医療・介護・年金の改善の道が開けます。

財政危機の原因なの?

 社会保障が日本の財政危機を深刻にしたかのようにいわれますが、そうでしょうか。
 各国の財政をみると、どの国も借金は増えています(グラフ1)。しかし、借金の対GDP(国内総生産)比でみると(グラフ2)、日本だけが増えています。経済の規模にくらべて借金が大きくなりすぎることは問題です。その最大の原因は、借金が増えたことにあるのではなく、日本だけがGDPが伸びない(グラフ3)「成長が止まった国」になっていることです。
 国際競争力さえつければうまくいくといって、非正規雇用を増やし、賃金を減らし、中小企業たたきをし、社会保障を改悪したことで国民の購買力が低下した、この20年間の誤った政策の結果です。
 国民の購買力がなく需要が起こらず、投資先がないために、上場企業の手元資金は1年前より約7兆円増えて約64兆5000億円で、2000年以降最高になっています(「日経」10年12月11日付)。同紙は「企業の『カネ余り』一段と」と報じ、「投資しにくい」「積み上がった手元資金が経営効率を低下させる一因」としています。大企業の内部留保は244兆円にのぼります。

打開のカギは

 いま、日本経済を立て直し、財政危機を打開するための最大のカギは、大企業の内部にたまり「経営効率を低下」させているお金を国民に還流させ、購買力をつけて経済を成長させることです。
 大企業にしっかり賃金を払わせ、下請け・中小企業に回し、適正な税金の負担を求めて社会保障を充実させることです。社会保障を削るのは国民の暮らしを疲弊させる悪循環の道です。

消費増税は大企業免責

 社会保障を最も必要とする弱者に一番重い税金が消費税です。消費税は国民の購買力をつぶし、日本の経済成長をストップさせた最大の原因です。
 消費税は、大企業にたまったお金を活用する経済の循環という点でも逆行です。大企業は消費税を一切負担しないうえ、輸出大企業には、戻し税として逆に輸出補助金のように入っていきます。消費税を社会保障の財源にすれば、社会保障への大企業の責任をまったくなくすことになります。
政治の責任で
 大企業や大資産家に能力に応じた負担を求めて、社会保障の財源をつくる改革は、大企業経営者などの善意に任せていてはできません。政治の責任でルールをつくることが必要です。それをやれるのは、財界や大企業に堂々とモノがいえる日本共産党だけです。
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 高額療養費制度 医療機関や薬局の窓口で支払った額が一定額を超えた場合に、超えた金額が後から支給されます。入院時の食費や差額ベッド代等は含みません。「負担の上限額」は、所得水準などで異なります。

 

 

 

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