もとむら伸子(日本共産党衆議院議員)-
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【10・11・04】名古屋港へのアメリカ軍イージス艦「シュープ」の入港に抗議

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 11月4日、アメリカ軍のイージス艦「SHOUP」(シュープ、シャウプとも言われています)が名古屋港弥富ふ頭7号岸壁に着岸したことをうけ、名古屋港管理組合の管理者である河村たかし市長あてに入港を許可したことへの抗議と申し入れを行いました。
 
 1回目は、平和と憲法を守る港区連絡会、愛知県平和委員会、安保破棄・諸要求貫徹愛知県実行委員会の皆さんと「米海軍イージス艦『SHOUP』の入港を抗議し、平和な名古屋港を求める要請書」を名古屋港管理組合に手渡しました。
 市民団体の皆さんとの申し入れでは、
(1)名古屋港への米艦の入港を拒否すること。同時に、日本政府に核の有無を文書で求め、返答もない場合は名古屋港への入港を認めないこと。
(2)武器・弾薬を搭載している軍艦の一般公開はやめさせること。
(3)平和な港、非核名古屋港の実現のため努力すること、を要求しました。

 2回目は、日本共産党の名古屋市会議員団の江上ひろゆき市議と港区の山口きよあき市議と一緒に、抗議と申し入れを行いました。
 名古屋市議団との申し入れでは、
(1)米軍艦船の入港については、その情報を広く早く公開し、議会にも入港の是非について判断を仰ぐこと。また非核証明の提出を義務づけ、提出がない艦船の入港はきっぱりと拒否すること。
(2)「非核名古屋港宣言」を行うなど、港を軍事利用させない意思を明確に示すこと、を要求しました。

 
 今回の入港は、目的を「友好・親善」としながら、来ることが公表されたのは、2日前の11月2日です。アメリカが11月2日の公表を指定してきたとのことです。

 シュープは、米空母リンカーンに随伴する駆逐艦であり、今回の入港もリンカーン戦闘群の行動の一環であると推測されています。母港は、アメリカワシントン州エバレット。
 空母リンカーンは、イラク戦争に出かけ、空母リンカーンから飛び立った戦闘機がイラクに膨大な数の爆弾を落としたと言われています。

 本来、平和な商業港であるべき名古屋港に、戦争のためのアメリカ軍の軍艦を入港させたことは絶対に許せません。

 シュープには、300人の兵士が乗っているそうです。今日、名古屋の栄にバスで行っているそうです。最終バスでシュープに戻ってくるのは、夜中の1時とも言われています。1時まで何をしているのでしょうか。

 名古屋港管理組合からは、在日米軍から海上保安庁へ連絡がきて、名古屋港管理組合には10月4日に通告があり、10月20日に受け入れ可能であることを回答したことが説明されました。

 また入港についての情報公開は相手先の意向にそって行われる、と回答がありました。

 相手の意向を尊重してプレス発表をすると言いますが、そのような態度では、もしアメリカ軍が公表するな、と言ったら公表しないということにもつながってしまいます。県民の皆さん、市民の皆さんの税金が投入されている名古屋港です。軍艦は入港を拒否するべきですが、最低でも市民の皆さんに早い段階でお知らせするのは当たり前です。

 同じ伊勢湾の四日市港では、「米軍艦船入港マニュアル」を作成し、入港3週間前には議会にも報告し、1週間前には県民市民に広報すると定めています。少なくともこうした対応を名古屋港でも行うべきです。
 
 またシュープは、核兵器を搭載することも可能な艦船ですが、今回、名古屋港管理組合として核兵器を持っているかどうかのチェックはしていないことも明らかになりました。
 
 抗議の申し入れの後、江上ひろゆき市議、山口きよあき市議と一緒にイージス艦シュープが着岸している名古屋港弥富ふ頭7号岸壁の現場に行きましたが、現地では、放射線の量を測ることもしていないことも明らかになりました。県民の皆さんを守るためにも放射線の量を測ることくらいは、やらせなければなりません。

 申し入れの中では、港湾労働者の方からの発言が印象的でした。
 「7号岸壁は、車の輸出をする名古屋港のなかでも代表的な岸壁。港湾労働者にとっては大切な職場なんだ。岸壁がこわれていないかなど日々点検しながら掃除などもしている。その大切な職場が軍艦に使われることは、心がちぎれる思いだ。米軍の艦船のためにコンテナをつんだり、コンテナに爆弾がないかなど、労働者が軍事的な理由で借り出されている。」
 港湾で働く皆さんの思いを重く受け止めました。

 しかし、名古屋港管理組合の回答は、“一般艦船に支障がある場合は受け入れない”との回答にとどまりました。
 アメリカ軍の艦船に4日も入港を許すほど名古屋港の施設・設備が過剰なのか、という問題にもつながります。

 そして、もう一つ悲しかったのは、「友好・親善」といって、シュープのアメリカ兵が、名古屋市緑区の養護施設にいくと聞いたことです。
 武力で人の命、子どもたちの命を奪うアメリカ軍の兵士が、子どもたちに会うなんて、考えただけでも恐ろしく悲しいことです。「偽善」としか言いようがありません。
 傷ついた子どもたちにいったい何を植え付けようとしているのでしょうか。
 こんなことはやめさせなければなりません。

 

 

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